1つだけ
1つだけ願いが叶うなら私は何を願うだろう?
世界平和と言えれば立派なんだろうけど
私はそこまで言いきれない....
だからせめて私の目に見える大切な人達の
幸せを願おう
友達 家族 恋人 道で毎日すれ違い
挨拶を交わす近所の人
少しの繋がりの人達でも私に関わってくれた人達の幸せを願う
そうすれば回り回ってその人達の大切な人達の幸せも願えるから....
そうすれば最初に言った世界平和にも
少しは近づけるかなあ....
と図々しい事も思いながら....。
大切なもの
大切なものは強さ 強くなる事
誰にも負けない強さ 理不尽な暴力に
負けない強さ 心も体も強くなりたい
そうすればもっと大切な君を何物からでも
守れるから....
大好きな君をこれからも守れるから
僕自身の手で君を守れるから
だから僕はこれからも強さを大切にし
心も体も目一杯鍛えて行きたい
君に誇れる僕になりたいから....。
好きじゃないのにの続き
エイプリルフール
エイプリルフールこの日を意識している
人がどれだけ居るだろう
世の中がする事と言えば精々
フェイクニュースや動画を流す位だろう
嘘を付いても良い日とあるが
実際に嘘を付いても良いと言われると
これと言った嘘を咄嗟には
思い付かないものである。
そうして此処にもエイプリルフールと言う物を意識して居ない人物が一人
「はあ~風邪だぁ~」ハイネは眉を
顰めて大声で叫ぶ。
「そうなんだミーナが風邪引いちゃって
ハイネ悪いんだけど今日ミーナと一緒に
行く予定だった映画のチケット貰って
くれないかなあ.... 勿体ないし」
ナイトがニコニコとハイネにチケットを
差し出す
「二枚あるからシズクと一緒に行って
くれば良いよ シズクもこの映画みたがってたし!」
シズクの名前を聞いてハイネの眉が上がる
そして胡乱な顔でナイトを見る。
「何かなあハイネその表情....」
ナイトはニコニコの笑みを崩さずに
問いかける。
ハイネはナイトのその胡散臭い笑みを見て
今日が何の日か思い当たる。
「テメェ~ナイト本当にミーナは
風邪だろうなぁ....」ハイネは疑いの
眼差しをナイトに向ける。
「本当だよ!」もうその笑顔の清々しさが
一層妖しくて仕方ない
ハイネは断ろうと口を開き掛けるが....
「....ハイネ....」瞬間 微かに自分の名前を
呼ぶ声が聞こえ口を閉じる。
「あ....あのぉ~きょ...今日はよろ...しく
お願い....します...」
見るとシズクがキラキラした瞳でハイネを
見つめていた。
普段の自分をみるびくついた表情とは
違い心から今日を楽しみにしていた
みたいな表情だった。
「っ・・・」その表情を見てハイネの
言葉は止まる。
どうやらシズクがこのチケットの映画を
見たがって居るのは本当らしい....
ハイネには普段は見せない花の様な笑顔を
真っ正面からハイネに見せるシズクを見て
普段なら顔に熱が上がってフリーズしている所だが....何だか作為的な何かを感じ
解せないハイネだった。
(クソ腹立つ~何だかナイトとミーナの手の平の上で踊らされてる様で腹立つ~)
しかもシズクの格好が普段よりもお洒落だった。
フリルの付いたスカートにピンクのカットソー
ふわふわの髪の毛を降ろして頭の後ろ側に
小花が付いたヘアピンで小さく一つの
おだんごにしていた。
その髪型は果たしてシズクが自分でやったのかそれとも第三者にやって貰ったのか
その部分に関しても仕組まれた感じがして
やはりナイトにジト目を向けるハイネだった。
そうこうしている内にナイトに半ば強引に
背中を押されシズクと一緒に映画館に
入ったハイネ
(はぁ~まぁ~適当に見てればその内終わるだろう...)ハイネはため息を付き
背もたれに体を預ける。
横を向くとシズクが夢中になって映像を
見ていた。
内容を噛み砕くと主人公であるヒロインが
好きな男の為に尽くし振り向いて貰う為に
頑張る話と言う何とも陳腐な恋愛映画だった。
(こんなのどこが面白いんだか....)ハイネは
シズクの一生懸命になって映画の
キャラクターに感情移入している
顔を見ながら思う
さっきからシズクの顔が泣いたり笑ったり
はらはらしたり忙しく変化していた。
その顔にハイネは笑いが込み上げて
自分でも無意識に口元を緩めていた。
(映画よりこっちの方が面白い....)
ハイネは映画が終わるまでシズクに
気づかれない様にシズクの顔を盗み見ていた。
映画を見終わって二人が映画館から
出てきた頃 ハイネは係の案内の人から
この映画上映はカップル限定の上映会だと
聞かされやはりミーナが風邪と言うのは
嘘だと確信する。
(あいつら....)ハイネはまたむかっ腹が
立って仕方なかった。
まんまと謀られた。.....
そんなハイネの服の袖を小さく引っ張り
シズクが言う。
「ハイネ....また....出掛け....たい....
今度は....ミーナと....ナイトも....一緒..に..」
その嬉しそうなシズクの顔を見て
(こいつは今日エイプリルフールだと言う
事も気付いてないんだろうなぁ....)
そのシズクの嬉しそうな顔にも腹が立ち
シズクの頬を両手で引っ張るハイネ
「はぁ~次は三人で行け 俺はこんな甘ったるい映画二度とごめんだ フン!」
シズクはハイネに引っ張られた頬を摩って「う~....痛い....」と少し涙目になっていた。
その顔を見てハイネは悪戯っぽく笑って
「そうだなあ....次はホラー映画を見に行く
って言うなら行ってやっても良いけど....」
「ホラー....嫌....怖い....」シズクは
ハイネの言葉に泣きそうな顔を見せる。
「じゃあ三人で仲良く恋愛映画でも見るんだなあガキ!」
「うう~ハイネの馬鹿....」シズクが
涙目で睨んで来るがハイネは無視し先に
歩を進める。
シズクはハイネに置いていかれない様に
懸命に歩を進める。
こうして自分の気持ちに嘘を付き続ける
少年は エイプリルフールだろうが
普通の日だろうが一人の少女に向かって
これからも嘘を付き続けて行くのだった。
幸せに
白いヴェールを靡かせてお前は行く
隣にはお前が選んだ人
お前はその人と腕を組んで
幸せそうに微笑んでいる。
此処まで元気に健康に育ってくれて
ありがとう
写真の中で静かに微笑んでいる細君も
心なしか嬉しそうに笑っている様に感じた。
君と僕の娘が今日花嫁衣装を着て
娘の大好きな人の元に嫁いで行きます。
君も空の上で見守ってるかな?
幸せに 僕と君の大好きな宝物(娘)へ
送るメッセージ
君と過ごせた時間は宝物だ
幸せに 幸せになるんだよ
それが僕と細君の願いなのだから....
何気ないふり
何気ないふりを装って僕は今日も図書室で
自然体のふりをして君の隣の椅子に座る
僕の存在など目に入らず君は小説の中の
物語に夢中になって目をキラキラさせて
いた。
僕は本を読む振りをして君のその
表情を勝手に盗み見ている。
胸の鼓動がうるさい位に早鐘を打つ音を
聞きながら今日も僕は何気ないふりを
装って君が本から顔を上げて
僕に嬉しそうに本の感想を披露するのを
まだかまだかと待っている。