〜魚と貝殻 遊んだ記憶〜
海の底。
波に乗って旅して来た貝殻が、静かに休憩をしていた。
真っ暗で、何も見えないけれど。
そこに1匹の魚が来た。
チカチカ
その魚は体を光らせ
「遊ぼうよ」
と、言っているようだった。
貝殻は
「泳ぐことができないから」
と、断ることしかできなかった。
魚はしばらく考えたあと、ひょいっと貝殻を背中に乗せ、泳ぎ始めた。
「ほら、これで遊べるよ」
魚は笑顔でそう言った。
そしてしばらく遊んだあと、元の場所に戻った。
そして、貝殻は
「ありがとう。また遊びに来てね」
笑顔でそう言い、魚と分かれていった。
〜希望の光〜
もう嫌だ。
生きたくない。
人間は皆、辛いと思うことが一回はあるでしょう。
その方達はそんなことを考えてしまうまで、一生懸命に頑張って来た方達です。
少し生きることに疲れてしまっただけだから。
自分の言葉で少しでも気が楽になってくれるのなら、それが自分の生きる希望です。
逃げたい時は逃げて良いんですよ。
大丈夫だよ。支えてくれる言葉や歌や大好きな物、癒してくれる物はきっと側にありますよ。
〜できる事をできるだけ〜
ぎゅっ…ぎゅっ…と、雪を踏むしめる音が聞こえる。
歩いている動物は、なぜか見えない。
何もいないが、聞こえる足音。
ぎゅっ…ぎゅっ…ゆっくりゆっくり足音が聞こえる。
雪が降り積もる中、何も見えないその足音は、誰の足音なんだろう。
すると、きゅっきゅっと足音を鳴らしながら白い子狐がもう一つの足音に近か付いていく。
ふわっ、周りの雪を被っている草木が優しい風に煽られたように静かに揺れた。
すると一つの大きな大きな木のふもとにさっきの子狐と、ゆっくりゆっくり歩いて木のふもとで寝ている親狐が見える。
親狐はもう歳で弱りつつあるようだ。
子狐は「大丈夫だよ。僕がついてるから」
そう言うように親狐をぺろぺろ舐めている。
親狐に狩もできない、人も呼べない、何もしてあげられない子狐は、親狐を安心させるために顔を舐め、「大丈夫だよ。僕がついてるから」
と、静かに言い続けたのでした。
〜できる事をできるだけ〜終