良いお年を
「良いお年を」と言われた後に「お迎えください」と続くとくすぐったい気持ちになる。
私が良い年末を過ごし、良い年明けを迎えることを願っている人がいるんだという気持ちになる。全く楽しくない年末年始、良いかどうかはわからない。たぶん良くない年末年始なのだろうと思うが、そう言ってくれる人がいると何か楽しいことをして新しい年を迎えたいと思う。
星に包まれて
光があると安心するのに、光に近づくと目がチカチカして気が遠くなる。星も同じで安心する光だと思ってたのに目がチカチカして、おまけにトゲトゲしてて苦痛を感じそうと思う。
星に包まれていると思っていても、本人は身動きの取れない中、ずっとそばにいてくれているだけなのかも知れない。
私はきっと無数の針を外に向ける物体なのかも知れない。無数のトゲをあなたに刺して、あなたを固定し続けているだけなのだろう。
静かな終わり
自分の最後は静かであってほしい。日常を壊さず、最後を終えたい。
最後になるとみんな盛大にしたがる。そんなに大層なことをしてくれるなら、最初からそうしてほしいと何度も思う。生徒の選択を尊重する先生だったのに、その姿勢をいいように利用して馬鹿にしたやつらは、先生が先生を辞める時に泣いて手紙を読んでいた。私みたいな出来の悪い部下をなんとか使えるように一緒に頑張ってくれた上司の精神を壊したやつらは、上司が退職する時に素晴らしい花束を贈っていた。盛大な終わりはその人の尊厳をなくしていると私は思う。
私は私のまま最後を迎えたい。誰かに私を崩されたくない。でもみんな私の最後を静かにさせてくれない。静かに、静かにさせてくれ。洞窟にこだまする水滴のような静かな終わりを迎えたい。
夢の断片
私の夢には常に誰かがそばにいてくれる。いい存在とは限らないが、私と関わりを持とうとしてくれてることはとてもありがたく、現実に戻った時にガッカリしてしまうほどである。
目覚めた時に何もなかったようになってしまうのが嫌で、日記もつけたし、顔がわかる時にはその特徴を細かく書いてイメージできるようにした。不思議なことに、イメージすればするほど同じ人に夢で会えるようになったし、会話もできるようになっていった。
私は現実でできない相談をその人にしたし、時には抱きしめてもらって心を落ち着かせた。相手はなんでも応じてくれたけど、いつも少しだけ困った顔をしていた。いつこの関係が終わるか私は内心、どきどきしているが、夢から覚めた後はいつもは冷たい末端が暖かくて、この夢の断片を握りしめながら私はまた現実の生活を騙し騙し続けているのだった。
見えない未来へ
自分の将来が見たくて色々試した時期がある。黒魔術みたいなものがたくさん載っていたサイトを片っ端から試したが見えたものは何もなかった。
将来が不安だった。告白の答えも、受験の結果も、地球滅亡も、不景気も、自分の夢も。何もかもが不安で、眠る時、その夢が未来を映し出してくれたらと毎回願った。
未来が見えないから人の助言を頼るようになっていた。もう何も考えられない。未来に期待したくない。
でも最近、身体が勝手に動く感覚がある。何かに突き動かされたように、自分が話したりしている。そうしたとき、私は結果に関係なく深く満足する。
未来は見えないかもしれないけど、今が未来に向かって生きようとしていると私は思う。未来とは今を育てて見えるものだと、未来の私が今に伝えている。私も見えないあなたにそう伝える。