10/17/2023, 7:12:46 AM
【やわらかな光】
やわらかな朝の光の中で君は眠っている。その神聖な眠りを見つめていられるこの時間を、今この胸を満たしている輝かしい感情を、なんと呼べば良いだろう。
息を呑んで見つめていると、君はふと小さな声を漏らした。あの美しい瞳がゆっくりと現れる。こちらを認めた君は嬉しげに笑ってくれた。
10/7/2023, 1:06:19 AM
【星よりもなお】
畏敬の眼で夜空を仰ぐ君を微笑ましく思いながらも、一抹の寂しさをずっと感じていた。星よりもなお遠く輝かしいものを夢見るその眼差しに。
君が夢見るその未来に僕の居場所はあるの。尋ねることができない言葉を飲み込んだ時、ふと振り向いた君が嬉しそうに笑った。
「君と見る星が、一番キレイ」
10/5/2023, 10:01:11 PM
【きっと明日も】
「きっと明日もいい日になるよ」
だから今はお休み。言い聞かせる優しい声に、同じ優しさで髪に触れる手の温度に、安堵が胸を満たす。
忍び寄った眠気のままに目を閉じて少しだけ体を寄せる。吐息で笑ったその人は優しい強さで抱き寄せてくれる。穏やかな歓喜に包まれながら眠りの淵へ沈み込んだ。
9/29/2023, 11:09:28 PM
【静寂に包まれた部屋】
部屋に満ちるのは穏やかな静寂。沈黙も想い人とならば重苦しさはなく、優しく二人を包み込んでいる。
ページを捲りながらこっそり恋人を窺う。やはり本を開いている人の綺麗な髪は秋の陽光に柔らかく輝き、伏せられた眼はどんな宝玉よりも美しい。その瞳がふとこちらを見た。
「どうしたの」
「好きだよ」
9/28/2023, 12:37:52 AM
【窓から見える景色】
自分の家でもないのに見慣れてしまった、窓の外に広がる眺め。ふと思い当たって感慨を噛み締めた。
他人の家でこんなにも平穏で満ち足りた想いになる自分を昔は想像さえしなかった。自分の家ですら、こんなにも凪いだ心地になったことはなかった。その功労者を密かに窺うと嬉しそうに微笑み返された。