下屋

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9/2/2025, 10:10:57 AM

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ぱらり ぺらり
ぱらぱらぱら ぺら ぺら
ぽと
ひょい ぽんぽん
じろじろじろじろじろじろ
どさ
じろじろじろじろじろじろじろじろじろじろ

……

すっ すたすた
きぃーばたん

8/30/2025, 12:44:52 PM

「ふたり」

穴が空く
私の中に ぽっかりと

穴が空く
あなたの形を かたどって

穴が空く
永遠なんて ないことを

穴が空く
私は十分 知りました

穴が空く
ひとりぼっちで ここにいて

穴が空く
あなたもそうして いるのでしょう

穴が空く
穴が空いています

穴が空く
代わりに何かで 埋めながら

穴が空く
歪な形の 穴が空く

8/29/2025, 10:19:15 AM

「心の中の風景は」

まぶたを閉じましょう
何が見えますか?

私には何も見えません
本当に?
いえ、草原が見えてきました
それは良かった どんな色ですか?

澄み切った水色と生命溢れる緑色
本当に?
いえ、青く暗い色です 星がちらついて
そうですか どんな空気をしてますか?

心地よい風が吹き
本当に?
いえ、湿った空気が纏わりついています
そうなんですね
ええ

ではまぶたを開けて
何が見えますか?

私には何も見えません
見えません
あなたの声も聞こえません
私の中には何もありません

8/28/2025, 10:09:23 AM

「夏草」

かき分けどもかき分けども青さはやまない
この先で眠る人へ会う為に
一心不乱に進んでゆく

「本当にここなのかしら」
そんな疑問は無視してやろう
私は合っている 絶対に 多分

もう少し、もう少しだけ進んだら
一旦休憩しようかな
そして記憶の糸を手繰り寄せ……
ああ! やはり不安なのだ

誰にも聞けやしないのに
私だけが頼りなのに
どうして人は忘れてしまうのか
今はまだ記憶にある感触も
いずれは失うのだろう

大きな空洞
不意にぽっかりと心に開く

やけに太陽が眩しくて
何も見えないまま私は進む
そのうち風が変わってくれば
あなたにもうすぐ会えるでしょう

6/22/2025, 12:47:02 AM

「君の背中を追って」

近くなる 遠くなる
あなたとわたしは一進一退

大きくなる 小さくなる
あなたをわたしは追い求めた

いつもいつまでも
あなたはわたしを見てはくれない
いつもいつまでも
わたしはあなたの背ばかりを
追って追いかけ見て見つめてる

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