花束
国を救った英雄が花束を買ったらしい。
5本の薔薇の花束。
誰に渡すのだろうか。
家族?恋人?告白でもするのか?
国中が皆ヒソヒソと噂するなか当の英雄本人はふらりと姿を消したまま。
そうして再び見かけたときに花束の行方を尋ねてものらりくらりと答えは返ってこなかった。
いったい英雄から花束を送られたのは誰であったのか。
真相は本人の胸の中。
それと見晴らしのいい崖の上にある慰霊碑しか知らないこと。
【君に捧げる】
スマイル
「スマイル下さい。」
「品切れです。」
そう言って君はそっぽをむく。
彼の相棒はもちろん自分のところのでっかい弟子や自分の相棒そして彼を殺そうとした女にすら笑いかけるのに自分にだけは笑顔を見せてくれない。
「金なら払う!」
「馬鹿だろ。」
冷たい氷のように冷たい。
昔は可愛らしく笑って…ないな?
というか待ってくれもしかして自分は彼の笑顔を正面から見たことないのでは?
嘘だろ?かれこれ何十年の付き合いだと?
でも、全くもって思い出せない。
「スマイル下さい!!」
「うるさい。」
「アイツらばっかり狡い!」
「なにがだよ。」
こちらに顔すらみせてくれなくなった。
くそ、こうなったらなにがなんでも笑わせてやる!
「首洗って待っとけ!!」
そう言いのこして僕は部屋から飛びだした。
「貴方に俺の笑顔なんて必要ないでしょ。」
何したって傍にいるくせにそう笑った彼の姿を知ることはない。
【笑顔の必要性】
どこにも書けないこと
貴方が好きです。
あの人のために何時間も並んで限定のスイーツを買いに行ったとことか。
あの人に勉強を教えるために苦手な数学を必死に勉強するとことか。
そんなあの人に振り向いてもらおうと一生懸命な貴方が好きです。
絶対に伝えないけれど
【ラブレターすら書けやしない】
溢れる気持ち
優しい人間でいたい。
あの子が僕を優しいとそう言ったから。
僕はただ臆病で怖がりでだから死をみたくない。
だから僕は誰であろうと何であろうと命を助ける。
それをみてあの子は馬鹿だなあと笑いながらやっぱりそれは貴方の優しさだよとそういったので。
“人を殺せる”優しさをもつあの子がそう言うのならそうあろうと決めた。
誰であろうと手をとり何であろうと死なせない。
貧富の差も身分の差も関係なく人を救おう。
救世主偽善者?そんなものではない。
僕にとってあの子以外は全て同じなのだから。
だからあの子以外の命は平等に扱う。
あの子の言葉に恥じない人間であるただその為だけに僕は人を生き物を世界を救おう。
この胸にあるのはあの子に捧げる愛ただそれだけ。
【命の重さ】
1000年先も
未来のことなんて想像もできない。
今日も今日とて血と硝煙のにおいが満ちている。
まばたきしたら次の瞬間に死んでいてもおかしくないこの世界では10分後ですら遠い未来だ。
嗚呼でもそうだなそれでもわかることはある。
1000年先も人は争ってるだろうさ。
まぁ絶滅してなきゃだが!
【お伽噺】