秘密の場所、秘密基地、と聞くとワクワクする。
私の中にはまだ好奇心旺盛な小学生が存在しているのだ。
小学生当時、友人達と共に「秘密基地」とした場所があった。
どんぐりを集めたり、山葡萄を集めたり、チョーク石(正式名称不明)を集めたりしたものだ。
しかし「秘密基地」としていたそこは、なんと校舎の中、廊下の窓から丸見えだったのだ。普段あまり通らない廊下だったため気が付かなかった。ショックだった。
しかもなんと複数の児童が同じ場所を秘密基地にしていた。まあまあショックだった。
しかしそれも致し方ない。その場所は小学生のツボをくすぐるいい感じに人気がなくてちょっと翳っていてなんだか湿っぽいようなところだったのだ。
ああこれでは秘密も何もない。秘密ってなんだっけ。そういえば知らない間にチョーク石減ってたよなあ。
私は秘密基地という存在、定義、意義、保持をすること諸々、なんと困難なのだろうと知ったのだ。
しかしいまだにちょっと暗い居酒屋の狭めの個室は楽しいし、押し入れの2段目に布団を敷いて寝てみたいし、いつかマイホームを建てるときにはヌックを絶対に作りたい。うん絶対に作りたい。
秘密の場所、秘密基地、と聞くとワクワクする。
私の中にはまだ好奇心旺盛な小学生が存在しているのだ。
クエスチョン。
聞いて思い浮かぶのは「世界ふしぎ発見」だ。
何気に好きな番組だった。
しかし数年見ていなかった。
そうしたら終了してしまった。
さみしかった。
当たり前に存在していて、それが永遠に続くであろうと思い込んでいたのだ。
ミステリーハンターが言う。
「それでは、ここでクエスチョンです!」テレレテレレテレレテレレテ---ン
なつかしっ。
ふしぎ発見を見なくなった理由を今思い出した。
この木なんの木気になる木の歌を歌う歌手が変わったからだ。
ソロ歌唱のおじさまからおしゃれなアレンジのこの木なんの木気になる木に変わったのが悲しくてなんとなく見なくなったんだった。
存在が当たり前だと思い込む。
変化を恐れる。
私は大いに愚かな人間である。
当たり前はない。永遠もない。
しかし黒柳徹子さんはずっと元気でいてほしい。永久に。
ひらりひらり。
陽射しがぽかぽかあたたかいと、花見に出かけたくなる。
ピンクがかった白い花は可憐だが、揃ってこちらを向いている様は少々ギョッとする。毎年のことながらギョッとする。ほぼ全ての花たちと目が合うのだ。ちょっとこわい。一斉に目が合う恐怖に怯えながらも私はやはりひと目だけでも桜を見ないと春を満喫できた気にならないのだ。
ひらりひらり。
花びらが舞う桜並木を歩くのは心地いい。
春の気配に心が躍るのは生き物としての本能だろうか。
ひらりひらり。
ああ、早く開花宣言が出ないかなぁ。
葉桜の頃になると毛虫がぽとりぽとり落ちてくるため危険だ。
お花見行きたいなぁ。
う〜ん、誰かしら……
シャンプーをしていると感じる視線。
亡くなった祖父母か?ご先祖様か?
はたまた全くの赤の他人か?
いや、誰であろうとも幽霊であろうとも人の風呂を覗くなよ。
強い殺意を持って目をカッと開く。
誰もおらん。一説によると風呂場で視線を感じたときは真向かいではなく上にいるらしい。
バッと上を見る。誰もおらん。
人の風呂を覗くな。次があると思うな。
今度やったらギタギタにするぞ。実体が無かろうとも。
舐められてはいけない。
『私はいつでも殺れるぞ』という覇気を纏い、私は今日もシャンプーをする。
芽吹のとき。春の訪れは風の匂いで感じる。
うっすらとあたたかく、ほのかに花の香りが混ざったようなやわらかい風。
冬のピンと張り詰めるような凛とした冷たい空気も好きだが、春の気配を感じるとやはり嬉しい。
昨今の春は猛ダッシュで駆け抜けて行ってしまうため、こちら側がしっかりと受け止める心構えをしていないとあっという間に姿が見えなくなってしまう。
さて、受け入れ態勢は整っているだろうか?
花粉症の方は、早めに医療機関の受診を。