【友だちの思い出】
幼稚園の頃、仲のいい友だちがいた。毎日、何をするにも一緒だった。そして卒園式の日、違う小学校に通うことを知り、2人で大号泣した。
それから10数年、その友だちと会うことはなかった。
最初の数年は、またいつか会えるよねと思っていたが、10年超えた辺りから、会えたら奇跡だなと思うようになった。
そして最近になって、その友だちの顔も名前も思い出せなくなってしまった。
「あなたたち、毎日一緒にいたのよ」
と親に言われるが、どんなことをして遊んだのか、なにを話していたのかさえ思い出せなかった。
もし、今ここで、その友だちとすれ違ったとき、顔も、名前も、何をして遊んでいたかも思い出せるのだろうか。そして、その友だちは私のことを覚えているのだろうか。
あんなに仲が良かったのに。年を重ねると、だんだん友だち付き合いが疎遠になってしまう。
いま隣にいる友だちは、あと何年一緒にいて、どれだけの思い出を作れるのだろう。そんなことを思いながら、1番上の履歴にある親友に電話をかけた。
【星空】
しんどかった。辛くて、逃げ出した。
必死に仕事をして、待ってたのは上司からのパワハラ。どんなに頑張っても手柄は上司のもの。少しでもミスをしようものなら罵詈雑言を浴びせられる。
初めて無断欠勤をした。
というより、逃げたくて、とりあえず遠くへと電車に乗って。気づいたら知らない街にいた。
どうしても帰りたくなくて、近くにあった宿に泊まった。そして薄い布団の中で久しぶりに泥のように眠った。
朝、目が覚めても体が動かなかった。布団の中でゴロゴロと過ごす。やっと体を起こせたのはお昼を過ぎた時間だった。外の空気でも吸おうかと、窓を開ける。目の前に広がるのは田んぼや畑。都会で育ったので、新鮮な景色だった。ビルはなく、周りの建物も1番高い建物は3階建ての家。近くにコンビニもなさそうだった。宿の前を通るのは、地元のお年寄りばかり。
なんか平和だな…
何をするわけでもなくゴロゴロと過ごし、気づいたら夜になっていた。気分転換に外を歩いてみる。空気が澄んでいて、とても気持ちが良かった。聞こえるのは蛙や虫の声のみ。
遠くに高校生ぐらいの男女が楽しそうに喋りながら歩いていた。2人が急に立ち止まり、空を見上げる。
つられて同じように空を見上げて見た。満天の星空だった。近くに高い建物がないからか、空がとても広く見えた。空を見上げるのなんて何年ぶりだろう。心が浄化されていくのを感じた。気がついたら涙が溢れていた。
どれくらい経っただろう。数分だったか、もしくは数時間だったか。時間を忘れて星空を見ていた。そして、決めた。明日、職場に行こう。辞表をだして、仕事を辞めて、自分のやりたかったことをやってみよう。だいぶ気持ちが軽くなり、宿へと向かった。
【神様だけが知っている】
いまの選択が正しいのか
明日、なにをしてるのか
1年後、なにを手にしてるのか
5年後、あなたと一緒にいられるのか
10年後、生きているのか
神様だけが知っている。
【この道の先に】
目の前に広がる道。
1歩1歩、歩く。時には走ってみたり。
曲がってたり、真っ直ぐだったり。
たまには違う道と交わってみたり。
ずっと続いていく道。
必死に歩くけど、先は見えなくて。
たまには立ち止まって振り返ってみたり。
でもそれでも、また、1歩1歩踏みしめて。
【日差し】
目が痛くなるような日差し。
日焼け止め塗らなきゃ。
日焼けしないようにパーカー着なきゃ。
ツバの広い帽子をかぶり、日傘をさして外へ。
サングラスも忘れてた。
今年の夏は日焼けしませんように。