【もしも君が】
もしも君が、「もう好きじゃない」って言ってくれたら
この関係に終止符を打てるんだろうか。
言っとくけど私は
君が引くぐらい、一途なんだよ。
私から振るなんて、側から出来っこないの。
だからさ、
こんなダラダラ関係続けるのが君にとって嫌なら
振ってくれてもいいんだよ。
その時は、
私が君の事を大嫌いって感じるまで悪口言ってね。
怖いけど。
そんなお話。
【君だけのメロディ】
「〜〜〜♪」
『…好きだね、その曲』
「うん。リズム感が好きなんだ〜」
「〜〜〜〜♪」
『…なんかあった?』
「〜〜……」
「…顔に出てた?」
『うん』
嘘だ。君の顔は笑顔そのものだ。
君の気分は、いつも歌う曲のトーンで分かる。
今日はいつもより声色が落ち着いていた。
これは、僕だから分かる特権。
君の歌声は、誰にも聞かせない。
そんなお話。
【I love】
私の愛は、きっと一方通行。
貴方からは、返ってこない。
「忙しい」と返事が来てから、
自分から連絡ができない日々。
『落ち着いたら、また連絡して欲しい』
そう返して、2週間が過ぎた。
今貴方は、誰と何処で何をしているんだろうか。
勉強は、頑張れているのだろうか。
私が居なくても、幸せなんだろうか。
きっと好きなのは私だけだと、
いっその事別れてしまおうと、考えた日が山ほどある。
でも、
「愛してる」の貴方の言葉を、信じたかった。
そんな人のお話。
【雨音に包まれて】
「あー、もう6月やもんなー」
『梅雨来たな』
「ややなー」
私は湿気でクルクルになった髪をとかす。
「せっかくアイロンで真っ直ぐにしたのに…」
『さすが天パ』
「うっさ」
少し濡れた靴下が、余計に不快感を与えてくる。
『ちょ、制服で水たまりん中、飛び込んでみたくね?』
「…あんた何言ってんの」
『えー、うちらJKだよ?死のこの言わずにさ!』
「あ!ちょ…!!」
友達に引っ張られ、大雨の中飛び出す。
『あははは!つめてー!!』
「お前ほんまにバカやって!!」
『えーー!?なんて!?聞こえなーーーい!!』
雨音がうるさくて、声がよく聞こえない。
けどなんか、笑えてくる。
そんな雨の日のお話。
【美しい】
「いいなぁ…」
私は今日も教室の隅からあの子を見ている。
美人で、性格も良くて、頭も良い。
休み時間になれば、男女問わず皆んなが寄ってくる。
窓の外を見ながら呟く。
「私も綺麗になりたい」
『変わらなくて良いと思うけど』
「ひゃ!!」
変な声が出てしまった。
え、あの子が私に、話かけてきた、
「か、変わらなくて…って」
『最近、私とよく目が合うでしょう?』
『その時いつも思うの』
『貴方の目や髪の色、
光に当たってとっても綺麗だなって』
誰しもが誰かに憧れている。
そんなお話。