【恋か、愛か、それとも】
一つ目は、些細な恋心。
ちょっとしたことでドキドキしちゃって、
貴方とならなんでも初めてで。
二つ目は、平穏な愛心。
恋が芽生えて、愛が育って。
貴方の気持ちが落ち着いて、それがなんだか寂しくて。
三つ目は、孤独な冷心。
どっちが悪いとかじゃなく、
ただ貴方の生活に私が居る必要性を感じなくて。
「そんなことないよ」って貴方は言うけど、
行動がそれを示してくれなくて。
そんな三つの心のお話。
【約束だよ】
「面白がって別れるって言わないでよ」
「前も言ったよね、これで3回目だよ」
『まあね』
まあねってなんだよ。
大学に進学してから、貴方変わっちゃったね。
忙しいを理由に貴方から連絡してくれないし、
私から連絡してもそっけないし、
嘘ついて未読、既読無視されるし、
お疲れ様って最後に言ってくれたの1ヶ月も前だし。
どれだけ辛い思いしても、
貴方との思い出が邪魔をして、区切りがつけられない。
貴方はきっと、新生活で忙しくて
私の事に手がつけられていないだけ。
大丈夫。嫌われてない、冷められてない。大丈夫。
愛してるって言ってくれたんだもの。
そんな依存症な私のお話。
【傘の中の秘密】
「…あー。俺、君のことそういう目で見れないんだ」
「だからその…ごめんね」
そう言って貴方は立ち去った。
外の門で友達を待たせてる。
荷物を持って、私も学校を出る。
『あ、帰ってきた!』
『…ど、うだった…?』
[ん?…あー、振られたよ?]
[一方的すぎてびっくりしちゃった笑]
『…そっか』
日傘をバサッと勢いよく広げる。
『珍しいね、普段日傘刺さないのに』
[最近日焼け対策頑張ってるの!]
必死に声を張る。
日傘、持っててよかった。
そんないつもより傘を低く持つ私のお話。
【雨上がり】
雨の日、大声で泣き叫ぶ主人公。
でも空から光が差して、虹が出て、
キラキラの笑顔になって、
前を向いて進んでいこうってなる物語。
…なんてくだらないの。
空が主人公の気持ちと連動してるみたいな設定。
空が晴れたから、自分の気持ちも晴れる?
面白味も現実味も無い設定。
いい?
空はね、私の気持ちなんて微塵も解りゃしないの。
楽しみな日だって雨は降るし、
死にたいって思っていても青空が広がる。
雨が上がったとて、私の気持ちは変わらないの。
そんな皮肉な女のお話。
【勝ち負けなんて】
「はーい!俺の勝ちー!」
『いーや、化学と数学は私の方が高いからー!』
「合計点で勝負ですぅーーー」
『そんなの言ってないしーーー』
「俺勝ったからジュース奢れよー」
『もー、最悪ー』
嬉しそうな顔の貴方。
それを見て、笑う私。
私が少しも悔しがってない事、気づいてるかな。
負けて嬉しくなってる事、分かってるかな。
正直、負けるのも奢るのも苦じゃない。
貴方と話すことが出来るのだから。
そんな恋する私のお話。