【春爛漫】
季節が移り変わるのと同じ様に
人は出逢いと別れを重ねるのだけれど、
春の訪れに心嬉しくなる様には
素直に喜べない出逢いもあるものだ。
それは往々にして後に気づく事なのだが
心の隅から隅まで、泥靴で踏み潰し周る様な
そんな人との出逢いもある。
流行り病じゃあるまいし、苦しめる事を生業にしないでおくれよ。得体の知れない恐怖を纏い、一体何になるというのだ。
かと思えば、
先が不安になる様な、寂しさに押し潰され立ち上がれない気持ちになる別れが突然やってきたりもする。
巡り合いを幾度と迎え
春の花の彩りに癒される度に
愛を思い知る私は
今日もまた一抹の不安を抱くのだ。
【七色】
峠で動物をひき殺してしまった軽自動車の黄色
仲間の待つ巣へ戻る事が叶わない動物の無念が紫
意識が遠のく動物に群がる烏の赤
烏って賢いのか知らないけど、なんか許せないんだよねって思うマダムは灰色
遠くの車道に烏の群れを見つけ、あぁひき殺されてしまったんだなぁと思う私は橙
猫かな。何故猫は速度を上げている自動車へと吸い込まれる様に車道へ飛び出す事があるのだろう?
この疑問が白
近づき、恐る恐る、横目で血塗れの動物を確認。
なんだ、狸じゃないか。
この心が黒
【願いが1つ叶うならば】
重く響く地球の鼓動
憎くも圧倒的災い
過去へ行けるならと思うけれど
未来から来たなどと騒ぐ若造の声に
誰が反応するだろうか。
不完全なまま風化される「逃げろ」を
「備えろ」に変換し未来へ繋ぐ
【暗がりの中で】
親のエゴと不条理の中この世に生を受けた我々は
生き続ける理由を感じつつ唐突に嫌気が差す生き物だ。
愛とは何であるのか。物質的に説明するとオキシトシン?ドーパミン?
母は、無償の愛を、数える事が出来ない程注いでくれた。物理で説明出来ない、無償の愛だ。
親となった今、I love youをどう解釈し子へ伝えるか、それを考える事に人生をかけている。まさに親のエゴである。
暗がりの中で、あなたの瞳に映る世界が
どうか美しくありますように。
【七夕】
私達人間も
1年後の存在を約束できる強さが欲しい