お題『夏の気配』

私の足元に、じわじわと肌へ滲むような湿気が立ち込めた。

この湿気を吸った肌は、おいしくない！と吐き出すように別な場所から汗をだす。

たらり、つぅ、と顔の縁をなぞって顎へと線を引く。

ぽたり、と顎からインクが落ちた。
じゅわり、と音がしそうなほど暑そうなアスファルトへと転落死した。
そうか、これは復讐なのだ。

転落死した、汗の、復讐。

お題『まだ見ぬ世界へ！』

まだ見た事のない世界はどれくらいありますか？
沢山ありますね。
氷の世界。
草木生い茂る、じわじわ暑い世界。
とても人間が暮らすには難しい暑さの世界。
獣人の暮らす世界。

想像してみよう。

お題『最後の声』

もーいーかい！

まあーだだよ

もーいーかーい

まーだだよ

もーいーかーい

もーいーよ

お題『小さな愛』

例えば、道を開けること。
挨拶すること。
ありがとうということ。
食べ物を分けること。
連絡する事。

小さくて、でも誰かにとっては愛なのだ。

お題『空はこんなにも』

空はこんなにも、ひろい。

広いのに、空で暮らす生き物は、少ない。

よだかは、どこにいるのだろう。