お題『夏の気配』私の足元に、じわじわと肌へ滲むような湿気が立ち込めた。この湿気を吸った肌は、おいしくない!と吐き出すように別な場所から汗をだす。たらり、つぅ、と顔の縁をなぞって顎へと線を引く。ぽたり、と顎からインクが落ちた。じゅわり、と音がしそうなほど暑そうなアスファルトへと転落死した。そうか、これは復讐なのだ。転落死した、汗の、復讐。
6/28/2025, 11:07:23 AM