小学生の夏、緑に囲まれたベンチで友を待つ。そよ風が私の頬を撫でる。上を見上げれば木々の隙間から光が差し込み、葉の模様が透けている。とても綺麗だ。
友が私を見つけて駆け寄ってくる。私も駆け寄る。風が私たちの間を吹き抜ける。さあ、冒険だ。今日も遠く遠く、知らない場所へ旅をしよう。

真っ暗な部屋、熱い空気、開けた窓から聞こえる微かな車の音。
心の中には得体の知れないものが住み着いていてずっと心を掻き乱してくる。ズキズキと胸が痛む。不安が膨らみ、寝かせてくれない。
全部夢だったらいいのに。全部現実だ。

夏休みに幼稚園からの親友と東京に遊びに行った。
会ったときは空はまだ明るくて青かったのに、いつの間にか真っ暗になっていた。
時計を見ると19:30。そろそろ帰ろうと電車に乗り、くだらない話をする。あっという間に最寄り駅。空の黒さと夜の駅の雰囲気が別れの時を告げていた。夏休みが終わって学校が始まると、またしばらくは会えなくなってしまう。家は近いけれど、予定が合わずに中々会うことが出来ない。親友が名残惜しそうに「次はいつ会えるかな？」と言っている。それがなんだか、愛おしくて、寂しくて…
残り少ない時間を噛み締めながら帰路に着いた。

毎日、小説を読む、アニメを見る、絵を描く、大切な人と一緒にいる、好きなことをしているだけで、どうしようもなく満たされて幸せな気持ちになる。心が暖かくなる。
好きなことは心に火を灯してくれる。今日も私は幸せで満ち溢れた日常を送っている。

「話したいことがあるんだけど」親友からのLINE。
実は一昨日から喧嘩をしていて全く会話をしていない。
高校に入るまで、私の周りには穏やかな人が多く、喧嘩をしたことがなかった。だから、親友と喧嘩してしまってとても不安な気持ちになった。どうすればいいか分からなくて怖かった。まだ怒ってるのかな？何を言われるんだろう？開けないLINE。