『 透明 』
あなたの透き通ったその目を
私にください。
『 理想のあなた 』
コンニチハ。
私ハアナタノ理想ノ通リノ姿ニナリマス。
サァ、アナタノ要望ハ¿
『 突然の別れ 』
「もういい!カオルなんて知らない!」
バンッッッ
そう叫んで力任せにドアを閉めて外に飛び出す。
この喧嘩の発端はカオル。食器を洗う事を2日おきに交代でしていたのを最近は私ばかりになっていることを指摘したら、
『俺仕事のあと疲れてんの。』
なんて言うものだからついカッとなってしまった。だって、私も仕事してるのに。
近くの公園でブランコに座る。ここで待っていて、暫くしたらカオルが迎えに来て話し合って解決。いつの間にか喧嘩した時のルーティーンになってしまった。
今日は後ろにはトラックの音しか聞こえない。昼間だからかな。なんて呑気なことを考えた。
『ミレイッ!』
ドンッ
え¿
振り返りたくない、でも、振り返らなきゃ、いやでも、え¿
途端に騒がしくなる後ろ。
パシャ、なんて音も聞こえる。
待ってよ。待ってよ、待ってよ。
振り返るとそこには明らかにはねられたであろう、最愛の人。カオル。
パシャ、パシャ、と鳴り止まない野次馬のシャッター音。やめて、やめてよ。撮らないで。
咄嗟にカオルを抱き締める。息、してない。
野次馬からはやばぁ、えぐいね、なんて声。
やめてよ。もう、ほっといてよ。2人にして。
『 恋物語 』
皆が言う恋の話はつまらない。
ある日王子様が現れてその人と結婚するだの、幸せなお嫁さんになるだの、優しい旦那さんと幸せに暮らすだの。
そんな薄っぺらい物じゃなくて、そんな安っぽいものじゃなくて、
沢山殴って貰えて、沢山撫でて貰えて、沢山虐めて貰える。
そんな刺激的な恋をしよう。
『 真夜中 』
真夜中。貴女との時間。
深夜2時ちょうど。決まってゆらりと現れる貴女。
僕も一緒に行きたいな。なんて言った日は、怒って何も話せずに消えてしまった。
今日はなんだか嬉しそう。
どうしたの¿ と、尋ねる。
くすくす、なんて笑う君に笑いかけようとした時、
ブツッ
なんて音がして周りが暗くなる。
行こう! なんて太陽みたいな笑顔で言う君。
勿論、行くよ。
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今日未明、○○アパートで男性の変死体が発見されました。
男性は~~~~、、、