坂田

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『 突然の別れ 』


「もういい!カオルなんて知らない!」


バンッッッ

そう叫んで力任せにドアを閉めて外に飛び出す。
この喧嘩の発端はカオル。食器を洗う事を2日おきに交代でしていたのを最近は私ばかりになっていることを指摘したら、

『俺仕事のあと疲れてんの。』

なんて言うものだからついカッとなってしまった。だって、私も仕事してるのに。

近くの公園でブランコに座る。ここで待っていて、暫くしたらカオルが迎えに来て話し合って解決。いつの間にか喧嘩した時のルーティーンになってしまった。

今日は後ろにはトラックの音しか聞こえない。昼間だからかな。なんて呑気なことを考えた。

『ミレイッ!』

ドンッ


え¿


振り返りたくない、でも、振り返らなきゃ、いやでも、え¿

途端に騒がしくなる後ろ。
パシャ、なんて音も聞こえる。

待ってよ。待ってよ、待ってよ。
振り返るとそこには明らかにはねられたであろう、最愛の人。カオル。

パシャ、パシャ、と鳴り止まない野次馬のシャッター音。やめて、やめてよ。撮らないで。

咄嗟にカオルを抱き締める。息、してない。

野次馬からはやばぁ、えぐいね、なんて声。


やめてよ。もう、ほっといてよ。2人にして。

5/19/2024, 1:40:54 PM