クロノネコスキー

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10/30/2023, 3:15:50 PM

懐かしく思うことは君の泣き顔だった。
震える君、泣きながら大きな声で返事をして
僕は凄く後悔したんだ。

あの日のことを少し大きくなった君に謝る事はできたけど、あの時の映像は今も頭の中に残ってて、思い出す度に酷く申し訳ない気持ちになる。

そんな君が『今の彼と会って欲しい。』と言ってきた。
僕にNOは無いけれど、やっぱり少し緊張する。

君が笑顔でいるならそれでいい。
君の泣き顔はできれば見たくない。

君が泣いた時、僕は酷く後悔する事が多かったから。

君が幸せであるように、
君の願いはひとつでも多く叶えていけたら嬉しいと思う。

その役目はきっと、
僕から既に彼へと移っているのかもしれない。

それすらも君の望みなら
叶えばいいと僕はここで思っている。

幸せであるように、

幸せになるように。

10/28/2023, 8:51:00 PM

雨が降っていた。
いろんな音が聞こえていたが
俺は雨の音に集中していた。

しかしそれも長くは続かなかった。
なぜなら人の声は何よりも耳に届き
理解できる言葉はどうしても脳を刺激するからだ。

聞こえた言葉はいくつかあった。
聞こえた声もいくつかあった。
どれも耳を塞ぎたくなるような言葉。
そしてどれも容易に状況が想像できる言葉。

でもその中でひとつだけ、はっとさせられた言葉があった。

『ありがとう。ママ。』

か細く震える声だった。
今にも消え入りそうな女の子の声に聞こえた。
悲嘆や苦しみや憎悪などではなく、
その声はとても穏やかにそう呟いていた。

こうなってしまってからどれくらい経っただろう?

スマホのアラートがけたたましく響いたのが昨夜の22時半頃だったと思う。避難警報なんて意味無かった。それは一瞬で、気付けば天井が目の前にあって、もはやそのスマホもどこに行ったか分からない。探すことも出来ず体を動かすことも出来なくなっていた。。

全身に力が入らない。
痛みももはや分からず、
自分の体がぶるぶると痙攣しているのが分かった。

少し眠かった。
無意識に目を瞑っていた。
でもある瞬間、気付くと
目の前の壁が無くなっていた。
それに気付くと少し頭が疼き、
視界がぼんやりと赤く染まるのがわかった。

でも暗闇の中でやっと見えた星空。

降りしきる雨で赤い靄は晴れていき
俺ももうすぐ終わるのを感じた。

星は綺麗だった。

声も聴こえなくなった...。

10/24/2023, 11:45:41 AM

行かないで。

僕の心はそう言っていた。

だけれども、人として、
大人として、

それは言うべきでは無いことはわかっている。

出会いとはいつも偶然で、
それは常に一期一会というものである。

悲しいけれど、寂しいけれど、

自分のために、

彼のために、

引き止めはしない冷たい男を受け止めていく。

人とは愚かな生き物である。

10/20/2023, 9:47:23 PM

始まりはいつもぼんやりとしていた。
いつの間にかはじまり、
気付けばいつもそこに巻き込まれていた。
すべては僕の優柔不断のせい。
すべては誰かが決めてくれていた。
だけど、
今回はそうもいかない。
僕が動かなければ彼女は救えない。

これがどういう事かは、またあした。

今はこの状況をどうするか、
まず動いてみることにする。