#104「お金よりも大事なこと」
お金じゃない。お金じゃない。
僕が本当に欲しいのはきっとお金じゃない。
お金なんかよりももっともっと大事なもの。
お金じゃない。もっと大切なもの。
そうだ、もっと創りたい。僕は創りたい。
金儲けの為じゃない、自分の為に、
もっと詩を書きたい。もっと書きたい。
その心さえあれば、何処へだって行けるから。
お題:お金より大事なもの
#103「月光の夜」
田んぼの畦道を一人で歩いている。視野の両端では、風が稲の穂を東へ東へ靡かせている。山の縁が黒ずんで、その上に紺碧の空が広がっている。月夜の下、蛍の光が星のように灯っている。
僕は夜の空気を深く深く吸い込む。月光を吸い込む。肌にそっと降った月光に、明日の感覚を思い出す。
お題:月夜
#102「絆」
この「絆」という字、糸偏が堂々と存在している。
よく絆という言葉はプラスの意味合いで用いられる。
深い絆、永遠の絆、というふうに。
しかし字面を見るに、本当の絆とは、ほんの少しのことでぷつりと切れてしまうような、糸のように脆いものなのかも知れない。
お題:絆
#101「心臓」
本当に大好きな君に、僕の全部をあげたい。
心の全部を抉って、君に渡したい。心臓を、君に持たせたい。君に全てを許したい。だから受け取ってほしい。僕の心臓を君の手の平に包ませて、握らせて、いつでも壊していいから。殺していいから。
本当に大好きな君に、僕の心臓をあげたい。
お題:大好きな君に
#100「創作の獣」
おれを巣食う創作の獣が、脳裏で吠えてゐる。
冷たき野望を携えて、言葉の中で吠えてゐる。
獣は想像力に従って、その姿を変えてゆく。
さぁ獣たちよ、狂犬の如く噛み付いてゆけ。
本能の示す儘に、
欲望の赴く儘に。
お題:欲望