なぽりたん。

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2/29/2024, 11:02:36 AM

 #99「夜に踊る列車とともに」


車窓を走る風景は、田舎らしく何も無い。それに加えて、外灯一つないせいで辺りは闇に包まれている。
打って変わって車内は、電照で目が眩むほどだ。
腰掛けた椅子の染みが気になる。

溜め息一つを吐いて、窓の外をふと見る。それでも、やっぱり変わらない。今宵は夜明けまでここで揺られよう。このままどこまでも線路の先を征こう。

真夜中に踊り散らかす列車とともに。


               お題:列車に乗って

2/28/2024, 1:49:11 PM

 #98「旅」


もうじき夏が終わる頃、君にまた会いたいから。
飛行機で雲の上を旅して、船を乗り継いで、
君が遺した地図を辿って、あの街で待ち合わせよう。
遠くの国へ、遠くの街へ、あの場所へ。


                お題:遠くの街へ

2/28/2024, 8:42:08 AM

 #97


逃げたい、それも時には正しいのでしょう


            お題:現実逃避

2/26/2024, 2:55:20 PM

 #96「今と昔の君」


君は今、何をしているのだろうか。
ふとそんな物思いに更けってしまったから自分でも驚いた。何年前だろう。君は、僕の初恋の相手であった。僕の人生に深く深くその名を刻んだ。
それでも今は、僕も君の仕草や声は忘れ、別々の道を歩んでいる。こういうものなのだろうか。昔と今とでこんなにも違っていて寂しくはないか。
君は昔、絵を描くのが上手だったな。
君は今、何をしているのだろうか。


                  お題:君は今

2/25/2024, 12:01:15 PM

 #95「物憂げ」


朝から空は鼠色の雲で塞がっていた。
仰げば仰ぐほどくすんだ色だ。
いくら私があなたに笑って見せても、
空は物憂げね。


         お題:物憂げな空

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