#29「際限」


空には際限がない。どこまでも高く遠く続いて、宇宙の果まで澄んでいる。際限などないはずなのに、大空を鳥みたく飛んで、雲も越えて、大気圏を飛び出して、あの星に手が届きそうになった時に、僕は、どうして限界を知ってしまうと恐れるのだろうか。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　お題：大空

　#28　短歌


仕事疲れ　聖夜に響くベルの音　サンタクロースも
忙しそうね


　　　　　　　　　　　　　　　　お題：ベルの音

　#27「今日からは一人」


寂しくなんかないよ。
いつも通りに、花瓶の水を換えて、朝ごはんを作って、顔を洗って歯を磨いて、寝間着を着替えて…。

そう、寂しくなんかないのさ。

──ただ、一人には広過ぎるこの部屋は、君がいなくなった途端に、随分と静けさを増すだけで。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　お題：寂しさ

　#26「帰り道」


　寒いからと　手と手を繋いだ　帰り道


一人ぼっちじゃ凍える季節は心細いけど、
君が一緒にいるなら、ほら、もう平気だよ。
君が一緒にいれば、冬ももう寒くない。


　　　　　　　　　　　　　お題：冬は一緒に

　#25「とりとめのない話」


「今日、なんか風強いね。」
「どこ行きたい？決めていいよ。」
「俺さ、最近これにハマってるんだよね。」
「ここのコーヒー、ちょっと苦いかも。」
「帰ったら、何しよっか。」

君とのとりとめのない会話が、
これから先も続いていますように。


　　　　　　　　　お題：とりとめもない話