なぽりたん。

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12/1/2023, 1:38:57 PM

 #9「遠近感」


船から霞んで見えるあの島のように、
とても近いようで酷く遠い、憧れの貴方は。


               お題:距離

11/30/2023, 10:09:12 AM

 #8「雨言葉」


雨の降りそうな夜待ちに、
俯く私の手を取って

「泣かないで。」
 と言った君は、もういない。


        お題:泣かないで

11/29/2023, 11:11:07 AM

 #7「君に冬」


いつもと変わらぬ朝の教室で、ある違和感に気づく。
窓際の席で友達と笑う君に、何か違和感がある。


あ。

君が、長袖を着ているではないか。
夏が終わって随分過ぎても半袖一枚だった君が、
暖房の効いた教室で一人我慢している君が、
毎日、暑い暑い。なんて、寒さ知らずの君が、
そんなイメージの君が、
今日、半袖を辞めたなんて。


 そっか、もう冬が来たんだね。


               お題:冬のはじまり

11/28/2023, 1:01:37 PM

 #6「エピローグ」


暗い劇場で君と二人、映画を見ている。
ラストシーン、感動が涙を誘う。
隣の君の目が輝いて、如何にも終わりの雰囲気。

…いや、まだもう一つ悲劇を、もう一つ悶着を…

──だめ、まだ終わらないで。
まだもう少しだけ、君と一緒に居たいのです。


            お題:終わらせないで

11/27/2023, 1:35:42 PM

 #5「愛」


僕は愛を探すと、遠くに行ってしまう。
僕は愛に触れると、氷みたいに感じる。
僕は愛を飲むと、余計に喉が渇く。

僕は愛を、この小さな両手で掬っている。


              お題:愛情

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