〚好き、嫌い、〛
花びらを一枚一枚数えて。
いつか、運命の人が目の前に来るのだと
想っていた。
でも、僕が行かなきゃ現れないのだとも
想う。
あしたもすてきな日になりますように。
〚雨の香り、涙の跡〛
教室一人で居残って。
何かしようかと想っていたけど。
あまり、することがなく。
ただ一人夕焼け眺め。
窓下みれば、どこかの恋人同士のじゃれ合い。
ふとすると。
廊下から、足音が聞こえる。
顔ようみれば、先生ではない。
僕のクラスの人のよう。
あしたもすてきな日になりますように。
〚糸〛
赤い糸(運命の糸)が存在するのなら。
僕らは結ばれていたのかもしれない。
もし、前世。
互いを愛し合っていた恋人がいたとして。
親に別れろと言われてさ。
両親とすごい口喧嘩になって。
それで愛し合ってると言っても、親になんか
かなわないからさ。
ひとりが先に、その場で自分の頭を銃で撃って
自分より先に恋人が旅立ってね。
自分もその恋人を追って、泣きながら銃を
自分に撃つの。
もしこれが実際するとしたら。
"来世また出逢おう。"
そう約束したけれど。
僕が誰なのかも、彼が誰なのかもわからない。
今わかるのは、前世のすこしの記憶。
赤い糸があるとするなら。
あしたもすてきな日になりますように。
〚届かないのに〛
言わなきゃ、伝えなきゃ。
そうしなきゃ僕の想いなんて、伝わらないのに。
勇気なんかない。
この人生、ただの片想いで終わるのかな。
片想いって、想ったよりも辛いよね。
両想いになりたいと想えば想うほど、これは
不可能ではないかと感じる。
伝えた方が圧倒的いいのにさ。
そんな勇気、僕はなくて。
相手が女の子だったら、もっと緊張してたの
かなみたいに想う。
でも好きな人は男友達で同性だ。
ただの男友達と見られてる僕は。
すこし以上の片想いをしてる。
あしたもすてきな日になりますように。
〚記憶の地図〛
放課後。
遅くまで残っていたから、教室には誰も
いないと想っていた。
だけど教室に入ると、ひとりの男の子が
本を読んでいて、その男の子は僕の知っている
友達の恋人だったんだ。
すこし気まずくてさ。
はやく準備して、帰宅しようと想ったけれど。
その子がいるから、まだ帰れなさそうだなと
感じるんだ。
でもその男の子がね。
"〇〇君、いつもお疲れ様。
電気は僕が消すから、先に帰って大丈夫だよ。"
そう伝えてくれた。
僕の気持ち、伝わってしまったのかな。
だとするなら、謝るのが正解なのかな。
恋人になりたいなんて。
好きな人に、伝えれないよね。
しかも同性愛者でもなさそうなのに。
見た目で決めつけてしまう僕は。
なんてひどいやつなんだろう。
あしたもすてきな日になりますように。