sudachi

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10/3/2023, 12:35:27 PM

痛みで潰れた心が、声にならない声で叫ぶ。
助けて。どうか迎えに来て。

現実逃避という名のSOSはきみには決して届かない。
わかっている。
わかっているのに、それでも夢を見てしまう。

きみがここにいてくれたら、と。
きみがぼくを愛してくれたら、と。

もしも奇跡が起きて巡り会えたら、ぼくは変わるよ。
この世界を最後まで生き抜くと誓うから。

どうかお願い。
見つけて愛してそばにいて。


▷巡り会えたら

10/1/2023, 1:33:08 PM

きみがワンワンと泣いている。
ぼくはヨシヨシと言いながらユラユラ揺れる。

世界一かわいいきみは世界一ぼくを困らせる。

ふたり揃って黄昏泣き。
小さな手を握り一瞬の永遠に思いを馳せた。


▷たそがれ

9/30/2023, 2:04:31 PM

きっと明日も雨が降るよ。

雨女の私は自信満々にそう言った。

いや、明日は晴れるよ。

天気に詳しい君が笑いながらそう言った。

結果は曇り。ど真ん中。

真白の空をふたりで見上げながら、きっと明日こそはと言い合うんだ。

そうやって毎日を過ごしていけたらいい。

明日を待つことってこんなにも楽しいんだね。


▷きっと明日も

9/6/2023, 5:40:17 PM

時告鳥がその名の通り朝の空気をスパンと切り分ける。

眠れぬ夜は眠れる朝に変わり、僕はやっと目を閉じた。


▷時を告げる

9/5/2023, 3:44:49 PM

手のひらに乗っけた貝殻をひとつひとつ木のフレームに貼り付けていく。
夏の思い出を閉じ込めた写真立て。
君は笑っていて僕は眩しそうに目を細めている。

眩しい夏はもう戻ってこない。
だからあの時拾った貝殻で飾り付けよう。

秋が来ても寂しくないように。
冬が来ても涙が出ないように。
春が来ても生きていられるように。


▷貝殻

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