9/30/2023, 2:04:31 PM
きっと明日も雨が降るよ。
雨女の私は自信満々にそう言った。
いや、明日は晴れるよ。
天気に詳しい君が笑いながらそう言った。
結果は曇り。ど真ん中。
真白の空をふたりで見上げながら、きっと明日こそはと言い合うんだ。
そうやって毎日を過ごしていけたらいい。
明日を待つことってこんなにも楽しいんだね。
▷きっと明日も
9/6/2023, 5:40:17 PM
時告鳥がその名の通り朝の空気をスパンと切り分ける。
眠れぬ夜は眠れる朝に変わり、僕はやっと目を閉じた。
▷時を告げる
9/5/2023, 3:44:49 PM
手のひらに乗っけた貝殻をひとつひとつ木のフレームに貼り付けていく。
夏の思い出を閉じ込めた写真立て。
君は笑っていて僕は眩しそうに目を細めている。
眩しい夏はもう戻ってこない。
だからあの時拾った貝殻で飾り付けよう。
秋が来ても寂しくないように。
冬が来ても涙が出ないように。
春が来ても生きていられるように。
▷貝殻
8/1/2023, 11:21:38 PM
明日、もし晴れたら君と海に行こう。
山でもいいな。川でもいい。動物園でもいいし公園でボートに乗るってのもいいかもしれない。
なんでもいい。青空の下で笑っている君を見られたら。
少し猫背の背中と並んで歩けたらそれでいいんだ。
白い肌も少しは焼けるかもね。
手を繋いだら私がどこへでも連れてってあげる。
▷明日、もし晴れたら
6/28/2023, 2:18:49 AM
波の音に耳を澄ます。
ザザンザザンと心地よい音に混じっているのは微かなメロディ。
それに合わせてラララと歌った。
この音色は海の向こうから送られたラブレターか。
天からの慈しみか。
それとも、ここではないどこか異国からの嘆きかもしれない。
僕はここで歌うことしかできない。
誰かの幸せを願って。
安らかな眠りを祈って。
ここで静かにラララと歌う。
▷ここではないどこか