sudachi

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5/4/2023, 4:29:44 PM

大の字になって原っぱに寝転んだ。
夏にも似た五月の暑さ。
背中に当たる草は熱を持ち、その下の土はひんやりと気持ちいい。

気まぐれな雲が風に運ばれていくのをしばらく眺める。

まるで広い空を独り占めしているみたいだと思った。
目を閉じればその先が透けて宇宙が見えるよう。

そこから見た私という存在。
取るに足らない小さき存在。

そんな豆粒みたいな私の、胸の奥にある苦しみなんてそれこそないに等しいもの。

じゃあもういいじゃないか。
泣くのはやめにしよう。

起き上がりまっすぐに前を見据える。
風が舞い踊りながら導く先へ私は歩き出した。


▷大地に寝転び雲が流れる・・・目を閉じると浮かんできたのはどんなお話?

5/3/2023, 11:18:31 AM

思い出したくない人がいる。
先日亡くなった最愛の母だ。

思い出すたびに涙が出て立ち止まってしまうから、できるだけ違うことを考えて今も生きている。

もちろん忘れようとしているわけじゃない。
いい加減に扱おうとしているわけでもない。

ただ向き合えていないだけ。
現実から逃げているだけ。

あなたのいない世界でどうやって生きていけばいいのだろう。
そんな思いがいまだ色褪せず、この胸にあるから。

ありがとう。
伝えたかった言葉はちゃんと聞こえていたのかな。

あぁやっぱり考えたくないよ。
ごめんね。

ありがとうとごめんねはまだ紙一重だ。
いつかありがとうだけを伝えられるように、生きていく。

生きていくよ。



▷「ありがとう」そんな言葉を伝えたかった。その人のことを思い浮かべて、言葉を綴ってみて。

5/3/2023, 2:40:01 AM

優しくしないで。
あなたがいないと生きていけないなんて、そんな弱い人間になりたくない。

悲しいこと。
辛いこと。
やるせないこと。
耐えられないこと。

何かあるたびにあなたの顔を思い出してしまう。
抱きしめて頭を撫でて「大丈夫だよ」と囁いてほしくなる。

こんな私を作ったあなたが憎い。


▷優しくしないで

5/2/2023, 1:44:57 AM

ころんとしたカラフルな金平糖。
ひとつつまんで口に放ってやるとあなたは笑った。

「甘いね」

少しの間舌で転がしてカリッと噛む。
広がる砂糖味。
口の端にうつされた甘さ。

「知ってる?金平糖って『永遠の愛』っていう意味があるらしいよ」

そうか、これが永遠の愛の味、とやけに納得した。


▷カラフル

4/30/2023, 3:08:38 PM

あなたの腕の中は楽園。
私の腕の中も楽園。

ふたりでいればいいんだよ。
ね、そうでしょ?

今夜も楽園で眠ろう。
あなたから香るラベンダーは、夢の中でもいい匂い。


▷楽園

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