大の字になって原っぱに寝転んだ。
夏にも似た五月の暑さ。
背中に当たる草は熱を持ち、その下の土はひんやりと気持ちいい。
気まぐれな雲が風に運ばれていくのをしばらく眺める。
まるで広い空を独り占めしているみたいだと思った。
目を閉じればその先が透けて宇宙が見えるよう。
そこから見た私という存在。
取るに足らない小さき存在。
そんな豆粒みたいな私の、胸の奥にある苦しみなんてそれこそないに等しいもの。
じゃあもういいじゃないか。
泣くのはやめにしよう。
起き上がりまっすぐに前を見据える。
風が舞い踊りながら導く先へ私は歩き出した。
▷大地に寝転び雲が流れる・・・目を閉じると浮かんできたのはどんなお話?
5/4/2023, 4:29:44 PM