今月はよく食べた。忘年会のお酒やクリスマスのケーキにチキン。
お正月には炬燵でゴロゴロしながらみかんとおもち。
先月なら不安だけど今月は朝と夕方に雪かきして、普段デスクワークの私でもよく動いた。
「うん。絶対大丈夫。どうせ増えても1キロだけだ。」
私は意を決して体重計に乗った。
結果、現実は残酷だった。
《夢と現実》
しわくちゃできったない顔ね。
いつも私に何をされてもヘラヘラ笑っている癖に、何で今は泣いているのよ。
そりゃあ私は最近体を動かせなくて寝てばかりで、かまってちゃんな子猫の時に比べて可愛くなくなったよ。
だからこそ、そんな涙と鼻水まみれ顔じゃなくて。最後にいつもの笑顔を見せてよ。
何時でも虹の橋で思い出せるようにさ。
《泣かないで》
今日、私はある若い女性に取り憑いていた夫の霊を祓った。
顔を合わせた時から夫の霊に怯えきっていた彼女は祓った後泣きながら私に何度も礼を告げた。
祓い終わると、親しい友人の方が迎えに来てもらい彼女達の背中が遠くなるまで見送った。
私はその足で、先ほど追い払った夫の霊に声をかけた。
「あんた、あの女性の旦那だろ。彼女はあんたに殺されるって思っていた。悪霊じゃないクセに何で悪霊の真似事をするんだ。」
「妻は一途で寂しがり屋だ。俺が悪霊になれば怖がって友人に頼って仲間ができるし、次いでに俺への思いを絶ち切れる。」
「もう俺がどんなに孤独を感じる妻の側にいても、妻の心に報いる事ができないのだから。」
〈愛情〉
夫が浮気をした。私はずっと信じていたのに。愛していたのに。
だから、自分の正当な権利として旦那と相手の女性に相場の慰謝料を請求してあげた。
なのに二人は「気の迷いだ。」「コイツが誘った。」とお互いに罵りあいが始まった。
ああ、私の家庭はこんな僅かな熱しかない愛で壊されたのね。
〈微熱〉
私の話を聞いてください。彼は酷い人です。
私は彼の為に自分の趣味じゃない服や装飾品を身につけました。
仕事だって彼女らしく支えようと、関連の資料を徹夜して作ったり、更にバランスの良いお弁当を用意して、デスク周りの掃除をしてあげました。
なのに彼は私にこう言い放ったのです。
「君の未来の彼氏はとても恵まれているね。」
《落ちていく》