今日、私はある若い女性に取り憑いていた夫の霊を祓った。
顔を合わせた時から夫の霊に怯えきっていた彼女は祓った後泣きながら私に何度も礼を告げた。
祓い終わると、親しい友人の方が迎えに来てもらい彼女達の背中が遠くなるまで見送った。
私はその足で、先ほど追い払った夫の霊に声をかけた。
「あんた、あの女性の旦那だろ。彼女はあんたに殺されるって思っていた。悪霊じゃないクセに何で悪霊の真似事をするんだ。」
「妻は一途で寂しがり屋だ。俺が悪霊になれば怖がって友人に頼って仲間ができるし、次いでに俺への思いを絶ち切れる。」
「もう俺がどんなに孤独を感じる妻の側にいても、妻の心に報いる事ができないのだから。」
〈愛情〉
11/27/2023, 1:56:25 PM