七夕
今日は彼に会える日だ。
何時もよりも可愛くいたい。だって...毎日会える訳ではない。毎日連絡を取れる事もない。こっそり会える日なんだよね。
え?何でそうなってるかって?
訳アリなんだよね...。
ん?お前は織姫なんかって?
そんなもんだよ。
まぁ...織姫様みたいな役職ではないよ。
ただの一般人。
だったら毎日会えるわ、連絡取れるわ...
って思うでしょ?
そうとは限りないよ。
私は“一般人”
彼は“貴族”みたいな役職の人なんだよね。
だから監視も厳しいんだって...。
だけどね、監視ばかりは可哀想だからって、七夕の日だけ自由の身になれるんだって!だからこっそり会いに来てくれるんだ!
え?お前からは行かないのか?って?
行きたいのはあるよ。
だけど私は“足”が生まれた時から悪いんだ。
だから車椅子生活。最初は仲良くできてたんだけど、彼の親とかが「そんな気持ち悪人とは一緒にいちゃダメ」って言って引き剥がされちゃったんだよね...。
あ!そろそろ来たみたい!
じゃぁね!彼と一緒にいれる時間を大切にしたいから、また来年私に会いに来てね。
遅刻した〜!七夕に投稿したかった💦
夏
「あ゛づ い゛〜」
そう言いながら、図書館に涼しみに行く。
放課後のこの時間は人がいない為、涼しむ為の最高のスポットだ。
今日もいつも通りに涼しみに行くと…先客が居た。
(あっ…人居たのに気が付かなかった…。)
先客は…中性的だ。
その中性的なその子は
透き通るような白い肌
綺麗な黒髪ストレート
顔は半分マスクで隠れて見えない。
俺はそんな人に心を奪われた。
その人は俺の声に気が付くと、本から顔を上げてこちらを見た。
俺を見る瞳はルビーの様な輝きをしていた。
『えっと…クーラー強めましょうか…?』
そう言ってリモコンに手を伸ばそうとしていた。
「あ!いや!大丈夫だよ!」
そう言ってその子を制す。
『あっ…そうですか。もし下げて欲しかったら、下げますよ。』
柔らかい表情でそう答えた。
俺はなんとなく気まずくなり、適当に本を取り少し離れた場所に座る。
俺は本を読んでいる振りをして、その子を眺める。
(嗚呼…やっぱり“好き”だなぁ…。
これが世に言う“一目惚れ”ってやつかもなぁ…)
また明日も居るのかな……
俺はほんの少し、夏の暑さに感謝した。
君と最後に会った日
⚠️注意⚠️
死ネタ
苦手な方は見ないでね💦
「なぁ…。そろそろ帰ったらどうだ?明日も早いんだろ?」
俺がそう言うと君は、『もうそんな時間なの〜まだ仁君と一緒に居たいよ〜』
そう言いながらも、君は立ち上がって玄関に向かう。
俺は君を玄関まで見送る事にした。
君はグダグダ文句を言いつつ、靴紐を結び立ち上がった。君は寂しそうに俺の方を向いて言う。
『また来てもいいよね?』
俺は迷わず答える。
「勿論だよ。何時でも来ていいよ。まぁ俺が空いてる時にな?」
そう言って、俺は君に口付けをする。
普段俺からしないから、少し赤面している君が愛おしい。「じゃ、またな」
そう言って君を送り出した。
居なくなった後、俺は準備を済ませる。
俺はシャワーを浴びて、君がくれたお気に入りの服を着る。身体に付いた跡を隠すため…。
そして目元の隈をファンデーションで隠す。
一通りの準備を済ませ、鏡で姿を確認する。
「……うん。大丈夫……。今度こそ上手くいく…。」
そう言って俺は棚から瓶を取り出す。
中身を取り、口に含み飲み込む。
俺の視界がだんだん狭くなっていく。
身体に力が入ら無くなっていく。
嗚呼…今日が
“君と最後に会った日‘’
になってしまったな。
さようなら…
1年後
1年前の自分は周りに合わせて生きてきた。
自分だけが浮かないように、周りに迷惑をかけないようにって。
そうすれば、周りと馴染めるような感覚を覚えたから。
だけどね...それはもう辞めたんだ。
自分が自分じゃ無くなりそうになるし、個性が作られてしまうから。
それのせいで、“俺”の周りから人が居なくなった。
たがいなくなった代わりに、俺に見合った仲間が出来た。
俺の周りに集まったヤツらは、訳ありなやつばかりだが、楽しく過ごせている。
嗚呼...やっぱり人は1年後には変わるんだな...。
子供の頃は
子供の頃約束した記憶なんて、すぐに忘れてしまう。
絶対忘れないなんて誓うけれど、やっぱり子供には難しい事に過ぎない。俺も約束した事はもう覚えていないだろうな。ふとした瞬間に思い出して消えていく。
儚いものに過ぎない。
あれ…何か思い出しはずなんだが…消えてしまった。