視線の先には
視線の先に見えるもの
ん?
なんだろう?
うーん。眼鏡。眼鏡。イヤ老眼鏡か。
老眼鏡は何処いった。
どこだったかなぁ。
がさごそ、がさごそと机の引き出し、眼鏡ケースの中、カバンのポケットを探すが見当たらない。
とこだ〜。
頭をかかえたその時、頭の上で手に当たるものは老眼鏡。こんなところにあったなんて自分でも悲しい。
やっとのことで探し出した老眼鏡をかけ見てみれば。
うーん。
小さいな。
そして、茶色の虫かな。
何の虫か気になり検索してみれば、乾燥を好む虫とのこと。こんな梅雨のジメジメした時期に乾燥を好む虫って、検索のかけ方の問題で間違っているはず。
なんの虫でもいいけれど、どうせならテントウムシとかがいいかも。テントウムシって漢字だと天道虫と書き、お天道さま、つまり太陽に向かって飛んでいくところからついたらしい。見た目も鮮やかで太陽の虫なんてなんだかラッキーな感じがする。
ただそんな気がするだけだけど、視線の先で見つけるものは、茶色の虫ではなく天道虫がいい。
私だけ
朝から晴れていた。
今日は仕事も休み。ここのところ働き詰めで、心もからだも疲弊していたが、休みはじっとしていることはできない。
もったいないし出かけよう。
最寄りの駅から高速バスに乗り、大都会へ向かう。大都会に行くには新幹線でも良いのだけれど、なんだか味気ない。もちろん、仕事や出張の時は時間重視で新幹線を利用するが、休日はゆっくりプチ旅気分を味わいたい。
バスは大都会のバスターミナルに着き、私はバスは降り歩き出す。人がたくさん行き交う駅を抜け、連絡通路から見えたビル群を横目に見ながら歩いて行けば、裏道りに小さな古着屋さんを見つけた。
古着の良さや価値は、手に取った人が良いと思えば良いものとなり、あとは店の雰囲気や店員さんの印象などが加味されて買うかどうかが決まってくる。
帰りのバスまでにまだ時間はあるし、何着か買っていこうかな。のども乾いたしカフェにも行って見たい。
あー。楽しい。
誰にも邪魔されない私だけの時間だ。
遠い日の記憶
なぜか銀河鉄道999が思い浮かんだ。
言わずとしれた松本零士さんの長編漫画だ。漫画は読んだことはないが、アニメで見た記憶がある。
「鉄郎。999に乗りなさい」というメーテルのセリフが印象的だ。
たしか、主人公の鉄郎が永遠の命を得るため機械の体をタダでくれる星を目指してメーテルと一緒に999に乗り旅に出る話し。
鉄郎は、999が途中停車する多くの星でさまざまな人や動物、機械の体を持つ人などに出会い、考え方や生き方、価値観の違いや差別、人の優しさや勇気に触れ合れあい人として成長していく。そして、終着駅でなぜ機械の体が欲しかったのか考えるが、成長した鉄郎にとって機械の体を手に入れることは意味をなさず、遠い昔のことになっていた。
調べたらまあこんな感じ。
鉄郎にとってメーテルとの旅は、辛いこともあったけど濃厚な楽しい思い出。最初の目的は何の意味もない遠い記憶でしかないのかもしれない。
記憶も思い出でも昔の経験だけど、記憶は辛かったり暗いイメージ。思い出は楽しく明るいイメージ。これからは良き思い出をたくさん作っていきたい。
空を見上げて心に浮かんだこと。
今日は天気が悪いらしい。
天気予報も1日中雨予報。年老いた母は朝から「調子が悪い、天気のせいだ」と何度も同じことをくり返す。
ざーさーと降ってきた雨音を聞きながら、
お弁当を作り、化粧をして会社に行く準備をする。
傘を片手に足早に駅に向かえば、赤や緑、白に黄色の傘の花が二列に並んで歩いて行く。こんなに鬱陶しい雨なのに登校する子供たちは、傘の花畑のようだ。
お昼休みはいつもの社食だけど、今日は雨のせいか外回りの人や営業の人が多く、いつもより混んでいる。
あー。鬱陶しい。
食事を受け取るいつもの列も長く、時間がないのに時間がかかる。
あれ?
五人くらい前にいるのは、営業部のエースって言われてる人だ。仕事もできる、顔も良いと噂で人気がある。興味があるかと言えばあまり興味はないが、待ち時間の目の保養には問題ない。ランチ定食も食べれて午後の仕事も頑張れそう。
代わり映えのしない毎日だし、空を見上げると雨雲と雨が多い梅雨の時期だけど身近な楽しみを見つけてみたい。
これで終わりにしようと思ったことは何度もある。
思っても、思ってもすぐに手が出てる物。
ポテトチップスに甘いもの。
チキンナゲット。
アイスにケーキ。
終わりにしないとヤバイでしょ〜。
健康診断近いし、検査結果が怖いし、体重計は乗りたくない、腹囲測定は問題外。
暑い夏は誘惑がわんさか、わんさか。
ビールに焼き肉、ピザに焼きそば、そして再びのビール。
最高〜!
この小さな幸せが長く続くように健康診断は毎年受けます。