蝶よ花よ
私は…。
太陽の下を堂々と、
歩ける様な人間ではありません。
私の手は、
真っ赤な血で汚れているのです。
そんな私が。
世の中の美しいものに、
触れて良い筈がありません。
でも。私は。
誰よりも美しい心と、
澄んだ瞳を持った貴方に、
惹かれてしまったのです。
何時も軽やかな貴方は、
まるで蝶が花から花へと、
舞うかの様で。
何時も華やかな貴方は、
まるで春の陽気に、
開く花の様で。
蝶よ花よ。
とは、言いますが。
そんな風に貴方を、
私は護りたいと思うのです。
最初から決まってた
同じ年に、同じ国に生まれても、
縁がある事なんて、殆どない。
況してや、友達になるなんて、
どれ程低い確率なんだろう。
君と俺は、同じ国に生まれた。
君と俺は、同じ年に生まれた。
だけど。
お互いの身分を考えたら、
本当なら、お互いの生きる道は、
交わる事は無かった筈なんだ。
だけど。
残酷な運命が、君と俺とを巡り会わせた。
でも、
君に会った瞬間。俺は思ったんだ。
君と出逢うことは、
きっと、最初から決まってたんだ。
…って。
やっと会えたね。
俺の…運命の人。
太陽
ボクは暑いのは嫌い。
だから、夏の太陽は、
ギラギラし過ぎてて、苦手だ。
でも。
雨の日が続いてて、
何日もお日様の顔が見れないと、
何だか淋しくなっちゃう。
なのに、
晴れたら、晴れたで、
太陽の光が暑いって文句を言うんだ。
真冬の太陽の様に、
ぽかぽかと優しく、
包んでくれる陽射しは、
凄く気持ち良くて。
夏は、愚痴を言う事が多いけど、
ホントはボクはお日様が、
大好きなんだ。
解ってる。
ボクにとって、お前は、
太陽みたいな存在なんだって。
お前がボクを構う度に、
ウザいって言っちゃうけど、
お前が居ないと淋しくて。
ホントは、ぽかぽかと包んで欲しくて。
だけど。
そんな事、お前には、
絶対知られたくないから。
思わず言っちゃうんだ。
『太陽なんか大嫌い!』
って、さ。
鐘の音
夕闇迫るころ。
街に鳴り響く鐘の音。
いつもの日没を告げるのとは違う、
寂し気で酷く悲し気な響き。
俺は察した。
この町の誰かが、
天に旅立ったのだ、と。
同じ町に住んでいるだけの人の、
訃報を知らせる鐘の音が、
真っ赤な夕日と相まって、
俺を物悲しくさせた。
鐘の音が、聞こえる。
この町の鐘の音は、
こんなに悲しい音色だったとは。
いつも時刻を告げる、
どこか真面目な鐘の音とは違う、
人の血が通った鐘の音。
俺は家へと向かう足を速めた。
あいつに…。
早く、会いたい。
いつもと変わらない、あいつの、
「おかえり」
の声が、聴きたいんだ。
つまらないことでも
ボクは正直、勉強は苦手。
だって、つまらないんだもん。
Sin60°が幾つだって、
ローマ帝国を滅ぼしたのが誰だって、
カリウムの炎色反応が何色だって、
『いまそかり』が何活用だって、
ボクの人生、なんにも変わらないし。
知らなくても困らないし。
『一般教養』とか言って。
社会人にもなって、研修とかで、
色々勉強させられるの、マジでウザい。
なのに、隣に座るお前は。
受験生でも学生でもないのに。
どうして、そんなに真剣に勉強するんだろ?
どんなにつまらないことでも、
何時も真剣なお前。
ボクは、勉強するより、
いっそ、お前の横顔を見てるほうが、
楽しいかも知れない。
あれ?不思議だな…。
お前と一緒なら、
どんなにつまらないことでも、
ちょっとだけ、楽しい気がする。