霜月 朔(創作)

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3/28/2024, 2:51:22 PM

見つめられると


何でだろう?
お前の事なんか、別に何とも思ってないし。
特別じゃない、只の友達だし。

だけど。
お前に見つめられると。
何だか、胸の辺りが苦しくなって。
少しだけ、鼓動が早くなって。
お前の前から逃げ出したくなる。

でも。こんなの、カッコ悪過ぎるから。
お前が俺を見つめてるのに気付くと、
俺はつい、文句を言ってしまう。
用もないのに、俺の事を見るなよ!…って。

なのに。
俺が何度文句を言っても、
お前は、僅かに笑みを浮かべて、
子供の様にキラキラした瞳で、
俺を見つめるんだ。

何時までもガキみたいな俺で、御免。
俺はまだ。
お前を見つめ返す事が出来る程、
強くは無いんだ。



3/27/2024, 2:10:04 PM

My Heart


貴方に出会う迄ずっと、
私は人の温かさを知りませんでした。
道具として生かされていた私は、
心の無い殺戮兵器に成り果てました。
ただ、生きる為に戦っているのに、
何時しか、味方からも恐れられ、
私という人間は、存在しなかった事にされました。

道具としてさえ、生きる事を赦されない。
そんな私に。
人の温かさを教えてくれた。
人の心を教えてくれた。
人の世界に引き戻してくれた。
そんな貴方は、私の全てなのです。

私の心は貴方で溢れています。
貴方が望む事なら、私は何だってします。
貴方を護る為なら、私は誰だって消します。
だって、私の心は、
貴方で出来ているのですから。

だから。
私を拒絶しないで下さい。
私を怖がらないで下さい。
貴方は、私の心そのものなのですから。





3/26/2024, 2:10:15 PM

ないものねだり


あいつは、俺には無い才能を持っている。
後輩を叱る事しか出来ない俺と違って、
あいつは後輩を上手に褒めて、
やる気を出させる事が出来る。
何でも真っ直ぐ突き進んでしまう俺と違って、
あいつは周りをきちんと見ることが出来る。

ないものねだりだとは、解っている。
だが。それでも。
俺は、あいつが羨ましい。

こんな俺でも。何時か。
あいつの親友になれるだろうか?



彼は、俺には無い才能を持ってる。
後輩にいい顔ばかりしちゃう俺と違って、
彼は、後輩の隠れてる才能を見出して、
叱咤激励して、才能を伸ばす事が出来る。
周りの顔色ばかり窺ってしまう俺と違って、
彼は自分の信念を貫く事が出来る。

ないものねだりだって、解ってる。
でも。それでも。
俺は、彼が羨ましい。

こんな俺でも。何時か。
彼の親友になれるのかな?

3/25/2024, 2:18:27 PM

好きじゃないのに


知ってるよ。
お前は、ボクに同情してるだけだって事くらい。
お前が、友達が居ないボクを、
密かに見守ってくれるのも。
ボクが仕事でやらかしたミスを、
こっそりフォローしてくれてるのも。
全部全部…同情。

気付いてるよ。
お前が、ボクを哀れんでるだけだって事くらい。
ボクが母親に捨てられた子だったから。
ボクは愛を知らずに生きてきた人間だから。
ボクは陽の光の当たらない場所でしか、
生きていけない存在だから。
全部全部…憐憫。

どうせ、お前は、
こんな塵屑みたいなボクに親切にする事で、
優越感を覚えているだけだろ? 
ボクの事、好きじゃないのに、
優しくなんかするなよ!

だって。
そんなに、優しくされたら。
勘違いしちゃうじゃないか。
もしかしたら、ホントにボクの事を、
好きなんじゃないか、って。
辛いだけだから、夢を見させないでくれよ。
もしかしたら、ホントにボクと、
ずっと一緒に居てくれるんじゃないか、なんて。



3/24/2024, 2:33:10 PM

ところにより雨


お前はずっと俺の隣にいて。
一緒に美味いものを喰ったり、
一緒に楽しい事やったり、
一緒に辛い事を乗り越えたり、
いつでも『一緒』が普通だと思ってる。

そりゃ、文句が全く無い訳じゃない。
時々不機嫌になることもあるし。
偶に、喧嘩だってするし。
それでも。
俺達の絆は、揺るぎないものだと思ってるし、
俺はお前の一番の理解者だと思ってる。

だけど…。ふとした瞬間。
お前の心の中に、元彼との思い出が、
今も色鮮やかに残って居ることに気付かされると、
俺の心は俄に掻き曇り、雨模様になり…。
そして、大粒の雨粒が落ち始め、次第に大雨になる。
だけど、俺はそれに気付かない振りをする。
…ほら、晴れてるじゃないか。
雨なんか、何処にも降ってない、と。

俺の心は、
晴れ時々曇…ところにより雨。
でも、こんな時こそ俺は、
眩しい程の快晴の笑みを浮かべて見せるんだ。


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