お題:忘れたくても忘れられない
『いつかの影踏み』
子どもの頃のこと
いくつ覚えているだろう?
鬼ごっこもかくれんぼも
捕まらないでいることが得意だった
でも影踏みだけはいつも負け続ける
影は自分についてまわるから
自分の過去のようで苦手だった
それでもいつも思い出す
あの時、誰かが言ってくれた
「影は自分の過去に似ているけど
過去の努力は絶対に自分を裏切らない
影はもうひとつの自分
今までをきちんと生きて来た証」
『自分の影は自分の鏡』
あなたには忘れたくても忘れられない
そんな言の葉はありますか?
お題:1件のLINE
『いつも通り』
朝が来る
1日の始まりと終わり
その境目で寝転んでいた
何気なく見る携帯に
ふと浮かぶ友の顔
連絡でもしてみようか、なんて
いつも通りを捨てて
新しいことをやってみること
それはとてもささいなこと
あなたが選んだなにげない選択から始まるのだろう
お題:窓越しに見えるのは
『夜を歩む』
きらきらと輝いている?
いや、違う
じゃあ夜に溶けるほど暗い?
いや、そこまででは無い
じゃあ…君はそれが憎いのかな?
うーん、そうと言えばそうかもね
すりガラスの向こう
ぼんやりと浮かぶ月の果て
曖昧な未来
定まらぬ行く末
そこに求めるものはあるか
不確定なものほど怖いのは
きっといつの世も同じ
それでも追い求めるのだろう
輝くものを思い描いて
お題:あいまいな空
『灰色の世界の中で光る』
明日、晴れるかな?って笑って
晴れたらここに行きたいねって話して
あいにく天気予報は雨模様で
未来のことは不確定
君の笑顔を曇らせないように
灰色の空が見えないように
ずっとカーテンを閉めたままで
ベッドの上の君を見てる
今はあいまいな空でも
君が見ていてくれるのなら
虹をかけることもできる気がした
窓ガラスが割れてしまいそうでも
笑顔でいれば君も笑ってくれるから
壊れかけの世界でも
君の傍から離れないでいよう
君がくれた太陽が心を温めてくれる限り
寒さなど感じずに済むのだから
お題:好き嫌い
『空を仰ぐ』
波の音が響く浜辺に
月に照らされるひとつの影
波の音に誘われてか
月の光に魅せられてか
影はどこに行くでもなく
(いや、ひとり歩きをやめたのか?)
ただじっと佇んでいた
海が好きなのか
朝が来るのが嫌なのか
誰も知る術はない
朝が来る気配がした
背を向けて歩きだした影の
後ろ姿が懐かしいのは
夢という名の幻であろうか