お題:ひなまつり
『変わらない想い』
皆で大皿を囲んで
笑いあって楽しく過ごす
そんな日々がこの先も続いていくと思った
3月3日の昼下がり
ちらし寿司とひなあられ
いつもよりも少し豪華なお料理ばかり
私はとても嬉しかった
今もずっと色褪せない
でも、今はどうだろう
実家に残した父と母
「今年もお雛様出してるよ」と
今日の朝にくれた電話
たとえ遠く離れても
願いは変わらないのだと
教えてくれた温かな声
これから先も優しい日々が続くようにと
お雛様に願った夜
お題:たった一つの希望
『春を告げる』
夢があるということは
とてもすごいことだと思う
将来に希望を持ち
前を向いて歩めるということだから
それならば、夢を持てない私は不幸なのか?
いや、そうじゃない
残したいものがあるうちは不幸ではないと言える
形に残らなくてもいい
あなたが知っているだけでもいい
誰も知らなくてもいい
あるべきものがあるべき場所へ
進むべきものが行きたい道へ
凍えてもなお生きようとするものたちが
いるべき場所で輝けるように
暖かな日差しの下でまた
新しい1日を守り続ける
お題:今日にさよなら
『廃れた記憶』
今日あった出来事も
昨日の誰かの悲しい話も
明日が来るという希望さえも
日々淡々と過ぎていくから
いつからかどうでも良くなっていた
そんな時にもらった優しさ
これまでの日々を経て得た強さに
気づかないまま生きていた
いつかの懐かしい風景に
思い出す記憶の中で
灰色に染まった日々を思う
目に浮かんだいつかの夕日を
いつまで綺麗に覚えていられるだろう
隣で見たあの夕日を
お題:街へ
『ざわめきの中で』
あちらこちらから聞こえてくる
楽しそうな声と笑い声
夜の帳が降りる街に
明々と光が灯る
静かにかすかに降り注ぐ雪の
なんと正反対なことでしょう
その中を歩く私達だけ
ただ静かに
ゆっくりと動いているかのようで
喧騒からかけ離れた場所にいるような
そんな錯覚さえも覚える夜
そんな夜をくれた街に
今日もまた足を向けている
ただ1人静かに歩いている
お題:この世界は
『きっとかけがえのない』
この世界はきっと
誰かにとっては優しくて
誰かにとっては意地悪だ
いつだってそうだった
一方が良くなることで
もう一方が悪い方に流れてしまう
だけど変わらないことがあって
いついかなる時も
人の心の中だけは
誰にも変えられはしない
だからあなたが思うように
この世界をこの日々を
あなたの感じるままに
笑って泣いて怒って
ボロボロになって
這いつくばってでも
あなたが望む世界へ
生き抜いたその先で笑って
そこにきっとかけがえのない
誰にも変えられない世界があるから
あなたの灯火を枯らさないで
どうかそのまま生きていて