お題:あいまいな空
『灰色の世界の中で光る』
明日、晴れるかな?って笑って
晴れたらここに行きたいねって話して
あいにく天気予報は雨模様で
未来のことは不確定
君の笑顔を曇らせないように
灰色の空が見えないように
ずっとカーテンを閉めたままで
ベッドの上の君を見てる
今はあいまいな空でも
君が見ていてくれるのなら
虹をかけることもできる気がした
窓ガラスが割れてしまいそうでも
笑顔でいれば君も笑ってくれるから
壊れかけの世界でも
君の傍から離れないでいよう
君がくれた太陽が心を温めてくれる限り
寒さなど感じずに済むのだから
お題:好き嫌い
『空を仰ぐ』
波の音が響く浜辺に
月に照らされるひとつの影
波の音に誘われてか
月の光に魅せられてか
影はどこに行くでもなく
(いや、ひとり歩きをやめたのか?)
ただじっと佇んでいた
海が好きなのか
朝が来るのが嫌なのか
誰も知る術はない
朝が来る気配がした
背を向けて歩きだした影の
後ろ姿が懐かしいのは
夢という名の幻であろうか
お題:ひなまつり
『変わらない想い』
皆で大皿を囲んで
笑いあって楽しく過ごす
そんな日々がこの先も続いていくと思った
3月3日の昼下がり
ちらし寿司とひなあられ
いつもよりも少し豪華なお料理ばかり
私はとても嬉しかった
今もずっと色褪せない
でも、今はどうだろう
実家に残した父と母
「今年もお雛様出してるよ」と
今日の朝にくれた電話
たとえ遠く離れても
願いは変わらないのだと
教えてくれた温かな声
これから先も優しい日々が続くようにと
お雛様に願った夜
お題:たった一つの希望
『春を告げる』
夢があるということは
とてもすごいことだと思う
将来に希望を持ち
前を向いて歩めるということだから
それならば、夢を持てない私は不幸なのか?
いや、そうじゃない
残したいものがあるうちは不幸ではないと言える
形に残らなくてもいい
あなたが知っているだけでもいい
誰も知らなくてもいい
あるべきものがあるべき場所へ
進むべきものが行きたい道へ
凍えてもなお生きようとするものたちが
いるべき場所で輝けるように
暖かな日差しの下でまた
新しい1日を守り続ける
お題:今日にさよなら
『廃れた記憶』
今日あった出来事も
昨日の誰かの悲しい話も
明日が来るという希望さえも
日々淡々と過ぎていくから
いつからかどうでも良くなっていた
そんな時にもらった優しさ
これまでの日々を経て得た強さに
気づかないまま生きていた
いつかの懐かしい風景に
思い出す記憶の中で
灰色に染まった日々を思う
目に浮かんだいつかの夕日を
いつまで綺麗に覚えていられるだろう
隣で見たあの夕日を