お題:つまらないことでも
『たとえ遠く離れても』
どうしてかな
どんなにつまらないことでも
楽しく笑いあえて
嫌なことがあっても
馬鹿みたいに笑って
気がついたら忘れていた
どうしてかな
隣にいない時間なんて
ほんの少しの間だと思っていたのに
こんなにも胸が痛いのは
私があなたを置き去りにしたから?
でもね忘れないで
確かにそばにいないけれど
あなたはひとりではないこと
またきっと見つかるよ
つまらないことでも笑い合える
あなたを救ってくれる人が
だから私のことは少しだけ忘れて
あなたの時間を楽しんで
いつかあなたに会えた時はまた
つまらないことで笑い合いましょう
お題:目が覚めるまでに
『儚く脆い幻を見る』
夢なら覚めないで、と
聞き覚えのあることを口走ってしまうほど
どうしようもない寂しさを覚えて
この幸せに縋ってしまった
それが偽りであったと知るのは
そう遠いことではないはずなのに
見ないふりをして今日もまた
その優しさに縋っている
この幸せと優しさを
ひとつも取りこぼさないようにしっかりと
私が目を覚ました時
きっと覚えていられるように
私が目を覚ました時
そこが本当の居場所だから
今あるものを抱きしめて
私らしく戦う糧にできるように
あと少しだけこの場所で
甘く優しい夢を見ていたい
お題:病室
『願いと祈り』
ベットで眠る私の元へ
あなたはいつも逢いに来た
私はあなたに気が付かず
言葉の一言もあげられないのに
あなたは絶えずここへ来て
ただ一言だけ告げて去る
あなたが何を残して去るのか
確認なんてできないのに
私はあなたに何を残せるのだろう
私の中の灯火が消えゆくと知ってしまった時から
あなたは何かを祈っていた
その願いを私は知らぬまま
あなたを残してゆくのでしょう
それは、私の中の灯火が消えてから知ったこと
あぁ、愛しい人
あなたの願いなど知りたくなかった
私は何も残せていないから
それは私の願いでもあるのよ
もう私の声は届かないけど
でも口は動かせるから
かつてのあなたがくれたこの願いを
次はあなたに
『どうか(私の分まで)幸せであれ』
お題:明日、もし晴れたら
『どうか、変わらない日々を』
明日、晴れるかな?
そう問いかけても
返ってくるのは曖昧な返事だけ
いつからこうなってしまったのか
私には今も分からないの
もしも明日晴れたら
あなたは笑ってくれるのかな
前はそんなことを考えたけれど
今はただ
あなたの隣にいられる幸せを
噛み締めていたい
明日、もし晴れても
私は今日と変わらない
ありふれた1日を
あなたと共に過ごすのでしょう
天気なんて気にならないくらい
あなたと過ごす日々が
かけがえのない日々なのだと
あなたが教えてくれたから
お題:だから、一人でいたい。
『透明な色のままで』
夜はゆっくりとした時間が流れる
移ろいゆく季節を感じながら
誰かと共に過ごす日々
そこで新たに自分を彩ることもある
でも、いつかその誰かが
消えてしまう時が来たら
私はきっと深く深く
夜に溶けてしまいたいと願うだろう
だからそれならいつまでも
ひとつの色に囚われず
様々な色になることもせず
ただ透明な色のまま
一人でいる方が楽なのかも
そんなことを考える私は
だから、一人でいたい。と
目の前の君に吐き出して
夜に備え始めた空と君に
ただ静かに背を向けていた