ルイ

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8/3/2023, 3:39:29 PM

お題:目が覚めるまでに
『儚く脆い幻を見る』

夢なら覚めないで、と
聞き覚えのあることを口走ってしまうほど
どうしようもない寂しさを覚えて
この幸せに縋ってしまった

それが偽りであったと知るのは
そう遠いことではないはずなのに
見ないふりをして今日もまた
その優しさに縋っている
この幸せと優しさを
ひとつも取りこぼさないようにしっかりと

私が目を覚ました時
きっと覚えていられるように
私が目を覚ました時
そこが本当の居場所だから
今あるものを抱きしめて
私らしく戦う糧にできるように

あと少しだけこの場所で
甘く優しい夢を見ていたい

8/2/2023, 1:23:01 PM

お題:病室
『願いと祈り』

ベットで眠る私の元へ
あなたはいつも逢いに来た
私はあなたに気が付かず
言葉の一言もあげられないのに
あなたは絶えずここへ来て
ただ一言だけ告げて去る

あなたが何を残して去るのか
確認なんてできないのに
私はあなたに何を残せるのだろう

私の中の灯火が消えゆくと知ってしまった時から
あなたは何かを祈っていた
その願いを私は知らぬまま
あなたを残してゆくのでしょう

それは、私の中の灯火が消えてから知ったこと
あぁ、愛しい人
あなたの願いなど知りたくなかった
私は何も残せていないから
それは私の願いでもあるのよ
もう私の声は届かないけど
でも口は動かせるから
かつてのあなたがくれたこの願いを
次はあなたに
『どうか(私の分まで)幸せであれ』

8/1/2023, 3:51:48 PM

お題:明日、もし晴れたら
『どうか、変わらない日々を』

明日、晴れるかな?
そう問いかけても
返ってくるのは曖昧な返事だけ
いつからこうなってしまったのか
私には今も分からないの

もしも明日晴れたら
あなたは笑ってくれるのかな
前はそんなことを考えたけれど
今はただ
あなたの隣にいられる幸せを
噛み締めていたい

明日、もし晴れても
私は今日と変わらない
ありふれた1日を
あなたと共に過ごすのでしょう

天気なんて気にならないくらい
あなたと過ごす日々が
かけがえのない日々なのだと
あなたが教えてくれたから

8/1/2023, 9:47:18 AM

お題:だから、一人でいたい。
『透明な色のままで』

夜はゆっくりとした時間が流れる
移ろいゆく季節を感じながら
誰かと共に過ごす日々
そこで新たに自分を彩ることもある

でも、いつかその誰かが
消えてしまう時が来たら
私はきっと深く深く
夜に溶けてしまいたいと願うだろう

だからそれならいつまでも
ひとつの色に囚われず
様々な色になることもせず

ただ透明な色のまま
一人でいる方が楽なのかも

そんなことを考える私は
だから、一人でいたい。と
目の前の君に吐き出して

夜に備え始めた空と君に
ただ静かに背を向けていた

7/30/2023, 12:24:05 AM

お題:嵐が来ようとも

『忘れない、忘れたくない』

嵐が来る前の静けさ
それはただただ平穏で
だからこそ不穏だと思ってしまった

それはあまりに突然で
何もかもが慌ただしく過ぎ去って
まるで嵐のようだった

たとえ遠く離れて
姿かたちが分からなくても
共に過ごした時間だけは
この命が消えるまで
私の糧となるように

今までも
そしてこれからも
丁寧にゆっくりと歩めるように
大切なものを手にして
それを手放すことのないように

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