ひらりひらりと天から降りて…
やりたい事がいっぱいだから
神様から大切な大切な御体借りて
さて、何から始めようかと思案を
したが、あれ?赤子なる者自由が効かぬ
さてさて、どうしたものかと思う間もなく
至れり尽くせり、一生懸命にお世話になって、自由になったら恩を忘れ…
「このバカタレが!」と天からお叱りを
うけて、波乱万丈次から次へと無理難題を
言い渡されて…
「こんなん、やってられんわ!」と
暴飲暴食、お酒に走り…
今度は、お借りしている大事な御体を
粗末に扱い痛い目に遭う…
四苦八苦して気がつけば、鏡の中の自分は
もうすっかりと年をとり…
新品を借りた筈なのに、もう体はボロボロ
「もうちょっとちゃんと生きれば良かった」なんて反省する事しきり…
あれあれ……そろそろとこの人生も終わり
のようだ、見上げた先にはひらりひらりと
新しい命が降ってくる
一生なんて、まばたきのごとく短い
日々……悔いなきように。
駐車場に車を止める…
両手いっぱいに買い物袋をさげて
玄関に向かうと、取っ手に何やら?
白いビニール袋には、季節の野菜
きゅうり·トマト·ナス·レタス·キャベツ
時には、トウモロコシやスイカまで…
こんな時、つくづく田舎暮らし万歳!
なんて、無邪気に喜んでしまう
我が家にも小さな家庭菜園はあるが
ご近所のおばあちゃんやおじいちゃんの
育てる野菜は全く違う…
要は、年期が入っているって事だ
ほとんど無農薬であるのに、大きく
立派に成長させる技には敬意をはらう
さてさて……
未熟な私の家庭菜園を知っている
心優しい隣人さんは、沢山いるわけで
だから、黙って置いて帰る人となると?
「誰かしら?」
一刻も早く、お礼を伝えたいが
間違ってしまうと失礼だし…そんな時は
偶然を装って聞き出すしかない
上手く相手がわかって「ありがとう」と
満面の笑みでお礼を伝えると、大体の
確率で私の手には追加の野菜が持たされる
ホント…隣人は神様みたいな存在である
私はどちらかと言うと…
器用で空気も読めるし世渡りが
上手い方で、、あまり敵を作らないタイプ
だと自負している…
しかし、「人生は修行」とはよく言った
もんだ……
2人いる娘の次女は、一昔前の子育て
だったから、少々型にはまらなくても
人より個性が強くても許される時代で…
しかし、悪気はないが協調性に欠ける
次女は、ものすごく育てづらい子供で
私は、かなり苦労を強いられた…
そんな次女も、すっかり大人になり
保育士としてバリバリ仕事をこなす
ベテランになった…
自分の子育ては間違ってなかった…
そう思うまもなく、長女に子供が生まれた
私にとっては孫にあたる…それも双子
双子と言うのは、すごくリスクが高い
無理やり1人のスペースに2人が収まって
いるからだろうか…
1人は、難病に発達障害を持って生まれた
オマケに真実に向き合えない娘のダンナは
逃げるありさまだ…結果…離婚だ
世間から見たら、不幸のドン底の家庭だ
けれど、そんな小さな価値観は捨てた
人生には必ず「芽吹きのとき」が来る
一人ひとり、芽吹く時期は違うだろうが
苦あれば楽あり…
何処かで絶対に、「終わった」と思う
瞬間が来る…
そう信じて1日1日を懸命に生きている
温もり…と言えば人肌を思い出す
あるいは、可愛がっているペット
だったり……
体温の高い犬や猫の温かさに癒された
人は沢山いるだろう…
しかし、原点を振り返れば
「あの日の温もり」は家族かもしれない
この世に生まれ落ちて、温かい手に触れ
ありとあらゆる事のお世話をしてもらい
ちょっとずつ、一歩ずつ生きていく力を
身につけて今がある
もちろん、その事さえきっと助けて貰った
からに違いない…
記憶なんて曖昧で、過ぎ去ればすぐに忘れ
がちだけれど、温もりの出発点は両親や
家族であろう…
「誰の世話にもなっていない」…なんて
そんなウソは言わないで、確かに誰かの
愛(温もり)の上に自分がいる事を、時折
思い出し感謝する気持ちは忘れないように
したいと思う…
彼岸花を知ってますよね…
お彼岸に咲く彼岸花は、仏様の花と
言う感じがして、幼い頃から真っ赤な
花の色を眺めながら、「綺麗だなぁ」と
言うよりはお墓参りをイメージさせる
花だった…
大人になり娘が生まれて、少し大きく
なった頃…
私は、娘に酷い事をしてしまって、今だに
思い出すと申し訳ないと思う出来事がある
その頃住んでいた場所からほど近い所に
彼岸花の群生があって、真っ赤に花を
咲かせ風に揺れていた…
毎年見える景色に「そんな季節か…」
位な感じで、彼岸花を横目に車を走らせ
家路を急いでいた
……ある日の出来事である……
「ただいま!帰ったよ〜」
娘が嬉しそうに走り出して来た…
「お母さん!綺麗な花を摘んできたよ
真っ赤でお母さんに似合うと思う♪」
寝室にあった鏡台の上には「一輪の花」
えっ?………
「なんて花を摘んできたのよ!縁起悪い」
幼い娘が摘んできたのは「彼岸花」だった
私は、思わず手に取ってゴミ箱に捨てて
しまった………酷い母親だ
若気の至り……にしては浅はかだった
何で、もっと娘に優しく教えてあげなかったのか、今もその事が悔やまれる
そして、彼岸花の季節になると、ふと
思い出したようにチクチクと娘が言う
「ホンマに、あん時は傷ついたわぁ〜w」
………すいません💦反省してます。