【今、私の願い事が
叶うならば翼が欲しい】
【この背中に鳥のように
白い翼つけて下さい】
【この大空に翼を広げ
飛んで行きたいよ】
【悲しみのない、自由な空へ
翼はためかせ行きたい】
言わずと知れた名曲の歌詞である
多くの人が、一度は口ずさんだ
歌ではないだろうか…
「大空」と「翼」
若い頃は、それほど歌詞をかみしめて
歌う事もなかったが、人生が長くなる程
しみじみと心に響くようになる
毎日、変わらぬ日常を生きながら
けれど、何だか少しの違和感を
感じつつ見て見ぬフリをする
何も覚えてはいないけれど、天を仰ぐと
何だかほっとするのは、自由な空から
舞い降りてきた…
そんな記憶が体の片隅に
刻み込まれているからかも知れない
我が家は今、呼び鈴(ベルの音)がない
最近、やっと30年ローンが完済した
ばかりだが…
人間もギリギリで30年を生き抜き
マイホームも風雨にさらされて
30年頑張ってくれた…
「外壁、限界だよね〜💦」
そんな話が出たのは5年前…
しかし、ローンは待った無しだし
時間だけが過ぎていった…
後1〜2年、ローンの返済があると仮定し
思い切って外壁を張り替える事にした
冷暖房から、コンセント、ポストに
呼び鈴と、外壁に引っ付いていた物は
次々と取り外された…
いつも当たり前に鳴ってるベルの音が
毎日、壊れる事もなく来客を教えて
くれていたと痛感…
家も人も社会も、何かがひとつ欠けると
回らなくなる…ホント不便だ
リホームをきっかけに少し立ち止まり
今からの人生を見つめ直す良い機会なのかも知れない…
「こんにちは〜!ごめんくださ〜い!」
今日も1日、耳をすまし玄関に走る…
もうすぐ今年も終わる…
春先から今まで、叔母·従姉妹·友人
·知人·ご近所さん…
知ってるだけで6人の方々が亡くなった
一番最近に知らされたのは従姉妹…
花が大好きで、お料理が得意で…
性格も良くて、気遣いも完璧で…
こんな人を、非の打ち所がないって
言うんだろうなぁ
ホントに大好きだった…
人は自分で寿命を決めて生まれてくると
聞いた事がある
ならば、彼女は自分で決めたスケジュール
に従い帰って行っただけ…
……そうだ…悲しむ事はない
しかし…夜中にふと思い出すんだよなぁ
寂しさを消し去るにはまだまだ時間が
掛かりそうだ
今流行りの家族葬で、お別れもしてない
腑に落ちない気持ちはあるけれど…
これも、時代の流れで致し方ない
さあ…私にはまだまだやらねばならぬ
人生の課題が山積みのようだ
だから見ていて…
泣き言は言わない…私の決めたラストの
時が来たら、また笑って会おうね
「これやるよ!」
緑色の手袋…
大好きだった人からもらった手袋
学校に行く時はもちろん…
授業中も制服のポケットに入れて
時々触れた…
気持ちが温かいと、ただの手袋が
まるでカイロみたいに温かく感じた
作業用みたいな色つき手袋は
おしゃれとは程遠かったけれど
冬は一緒に何年も過ごした
月日は流れ…
大好きだった人とは結局、縁がなく
片思いで終わった
一度で良いから、緑色の手袋を付けて
手を繋ぎ貴方の隣を歩きたかったなぁ…
また、寒い冬が来た…
思い出によく似た緑色の手袋
でも探してみようか…
娘が2人いる
この前生まれたはずが…
気がつけば2人ともアラフォーに
手が届くような年齢に近づいている
だから、私もいい年になった…
今も、2人が生まれた瞬間の映像が
目を閉じると鮮明に現れてくる…
初めて抱いた事も…初めておっぱいを
あげた事も…まるで昨日の事のようだ
赤子と母親…幼女と母親…少女と母親
ず〜っと、私は娘を守るのが役目だった
人としての常識や振る舞い…
2人が社会に出て困らぬように…
一生懸命に教えた…
だから私は、いつも一歩前を歩き
盾になって生きてきた…
それが、いつの間にやら親子ではなく
女同士として、とりとめもない話を
いつまでもしていられるようになった
まさしく今は横並びなんだろう
ちゃんと成長してくれてありがたい…
今からどんどん、立場が変わっていく
のだろうか…2人はまだまだ変わる
私もどんどん変わる…守る存在から
守られる存在になっていくのだろうか
しかし…
なるべくならいつまでも横並びで話が
出来るよう精一杯頑張りたいと思う。