「理想郷」なんて無いと思う…
人の欲や願望が叶っても
また次々に新しく色々な
欲求は湧いてくる…
だから、満たされる事はない
服を買ってもまた新しい服が
欲しくなり…
お金を手にしても更に手に
入れたくなるだろう
理想郷があるとしたら
全ての欲望に振り回されず
今に満足し小さな幸せを
感じられる…
そんな純粋な心を手に入れた
時だろう…
人生を懐かしむなんて
何もかもが一段落した頃だろう
私は今日も、1日を目まぐるしく
駆け抜けている…
時間が過ぎて「懐かしく思う事」を
幸せな気持ちで迎えられるように
今…この瞬間を頑張るのみである
人生の重大な選択を誰しも皆
迫られた事があるだろう…
どちらか一方を悩んで悩んで
答えを出したはずだ…
そう…「絶対にこっちだ!」と
けれど、あの時違う方を選んだと
したら私の人生は…?
…とは、これもまた皆思う事だ
どちらを選んでも多分、波乱万丈
色々な出来事がある…
「もうひとつの物語」を知るすべは
ないけれど、与えられた今の時間を
大切に過ごし行き着く先は
案外と同じだったりするんじゃない
だろうか…
これから生きる人生の
残された時間が絶対的に短くなると
今までの長い時間の中で、まさに…
「暗がりの中で」と言うドン底を
何度か味わった…
走る車の中で泣きながら子供のように
どうしようもない感情と戦った日…
美容師の見習い時代…
いじめられて雑巾を顔にぶつけられても
歯を食いしばって、トイレに駆け込んで
声を押し殺し隠れて泣いた日…
「もう嫌だ…無理…終わった」
人生の難題が目の前にあると、こうやって
一回はドン底に落ちる…けれど…
落ちきったら、地を蹴って上に上がる
しかないとやっとその後に気付く
暗闇から光を見つけ、上に上にと
這い上がって、今日も私は無理難題を
何とか片付けながら今これを書いている
「早くしなさい!」
一階から娘の怒鳴り声…
今朝も双子たちはのらりくらりと
マイペースにやっているようだ
まだ、カーテンの開かぬ薄暗い
部屋で、目を覚まし時計を見る
「7時前か…」
また、そろそろ行動の時間だ
1度起きたら今度横になれるのは
15時間後だ…だからあとちょっと
だけ……と目を閉じる
1日中、目まぐるしく働く中で
少しだけゆっくり起きる事が
私が決めたちょっと幸せな時間
しかし、タイムリミットは来た
カーテンを開けて光を入れる
「紅茶の香り」ではなく…
味噌汁の香り漂う一階に…いざ!