ド田舎育ちの私は、「ジャングルジム」
なんてしゃれた遊具はなかった
しいて言うなら、家の周りに自然に
はえている木々がジャングルジムの
変わりだったと言っていい…
一本一本が高さも、太さも、枝ぶり
までもがすべて違う…
だから、単調に鉄で組んである遊具
よりは、上がる事も下がる事も
横に移動することも多分難しかった
んじゃないかと思う。
四季を通じて果樹もあったから
早く上がって採らないと口に入らない
自然と競争もするようになる。
まあ、時々は虫たちの逆鱗に触れる
事もあったが、それも学びだ…
大自然の中で育った時間は、大人に
なった今も形を変えて沢山役に立っている
今日は、久しぶりにまとまって
雨が降った…恵みの雨だ。
今、二階の部屋に来て数ヶ月ぶりに
エアコンをかけず、窓を全部開けた
明日の準備をしていると少し暑いが
支度が済んでベッドに横たわると
西から南に向け良い風が入って来る
それに、外からは色々な虫の音が
沢山聞こえて来て、究極のBGMだ。
「声が聞こえる」…
虫の声は、日本人しか聞き取れない
柔らかな寝具…手足が伸ばせる場所
そよそよと風が吹き、心地よく虫が
奏でる…これほどの贅沢があるだろうか
今、この瞬間を心から感謝している。
涼しくなって人肌恋しい季節に
恋が始まる事を「秋恋」と言う
のだそうだ…
じゃ、真夏は暑すぎて近寄りたくも
ないから恋しないなんてことも無い
けれど、誰かを好きになるって
苦しくもステキな事だと思う…
恋に年齢は関係ないって言うが
やはり、周りに色々な異性が居てこそ
沢山の出会いもあり「恋」に発展する
だから、若い時代が一番楽しい
時間なんて飛ぶように過ぎるから
沢山出会って、沢山「恋」をして
下さいね。
その人は、50歳を迎える事なく
病に倒れこの世を去った…
元々、大都会に生まれた彼女が
どんな経緯で田舎暮らしを選んだ
のかは、聞いたことがなかったが
色々なパンや焼き菓子などを
細々と作りながら生計を立てていた
彼女は、その材料と質には並々ならぬ
こだわりがあり、毎月お品書きが
ポストに入ると注文し美味しく
食べさせてもらった…が
ある時、急に実家に帰ると
告げられ離れてしまった
帰省してからも、時々LINEで
近況を知らせてくれていたが…
ある日、お母様からお手紙と
小冊子が届き亡くなった事を知った
彼女が残した文章は前向きで明るい
死と背中合わせだと言うのに
愚痴などの言葉は一切無い
苦しい事もあっただろうに
沢山の言霊を私に届けてくれた
今も壁にぶつかると時々、小冊子を
読み直し力をもらっている
彼女の生きた証をずっとずっと
「大事にしたい」と素直に思っている
人生で何度かは「時間よ止まれ」と
感じた事はあると思うのだが…
その瞬間が止まって欲しい位に
嬉しかったり、楽しかったり
幸せな時間だからこそ、
ずっとそのままでって思うんだろうし
なのに、無情にもワクワクな時間は
瞬きのごとくすぐに終わってしまう
けれど、私たちには記憶の
引き出しがかなり沢山あるから
時間は流れても、目を閉じると
忘れたくない幸せな時は
記憶の引き出しから自由自在に
持って来られるからありがたい事だ
ただ、この思い出し作業は
1人、部屋にこもってやらないと
間違って、外出先とかで思い出し
始めると、ニヤニヤしながら最悪
独り言を発する危ない人になりかねない
だから、場所と時間はくれぐれも注意が
必要だ…