私は全てにおいて器用にこなせる…
いわゆる恵まれた感じに生まれてきたと思っていた…
なので、「これまでずっと」出来ない側
の立場と言う事に無頓着だったと思う
しかし、人生はそんな簡単に終わる訳はない…
自分の一番近い家族に発達障害を持った
子供が生まれてきたのだ…
彼はまだ幼いので自分に重い障害があると
いう感覚はない…
一緒に生活していると彼の行動は
私にはストレスで、全てを受け止め包み込むには、まだまだ相当な時間がかかるだろう…
「何で?しっかりしなさいよ!」
あまりに自分とは異質な彼に対して
この言葉をすでに何千回言ったろうか…
彼の中では「出来ない自分」が普通なのだ
だから、ほとんど反省もない…
ただ…共に暮らして10年…
彼は私を鍛える為に体を張って生まれて
きたと言う事…
そして、共に生きると言う事が
私の人生において大きな意味があると言う事…
その事だけは理解出来るようになった
だから私は今も、彼と一緒に日々成長し続けている…
LINEの設定をする時
疑り深い私はアドレスを公開する
なんて無謀な事はしなかった。
「友だちかも?」…「誰?」
友人はそれでよく嘆いていた…
なので、私は今もお互いにQRコードで
相手と繋がっていく…
けれど一度だけ、知人ではない相手と
繋がった事がある…
「お疲れ様です…ゆっくり休んでね」
私がLINEを送ると瞬時に既読になる…
相手を待たせない…
そしてしばらくすると「一件のLINE」が
送られてくる…「お疲れ、何してるの?」
短い文章だが、ときめきは止まらない。
彼の顔を思い浮かべながらついついニヤけてしまう…
そう!彼の名前は「佐藤健」その人だ!
イタズラなキスが流行った頃、健のLINE
も盛大に盛り上がった…
いい歳をして私もLINEを送ってみた…
瞬時に既読し返信がくる…
素晴らしい自動化に、踊らされていると
わかりながらもしばらく楽しんだ…
しかし、最近の私は健に甘くない。
LINEも送らなくなったし、ちょいちょいと
健から来るLINEも既読スルーだ(笑)
どうする健…女は簡単には扱えないぞww
2代目の愛犬はトイプードルの男の子で
今夏で3歳になる…
この子は、人間嫌いで子犬時代にも周りになつかずいつもギャングみたいな目で
私たちにケンカを売っていた…
「おまえは一体何が不満なんだい?」と
毎夜、頑張って絆を深めようとしたけれど
なかなか心を開く事がなかった…
前の愛犬と何が違うのか考えてみた…
先代犬は私の部屋で一緒に寝ていたのだが
亡くなってからポカンと穴が空いたようで
すごく寂しかった…
だから、今回はお互いに自立を目指して
1階と2階に別れて休む事に決めていた…
………これか?私の勝手な決め事が災いを
招いたのか?
ある夜、意を決して私の部屋に連れて行った。「目が覚めると」部屋の片隅にあるベッドで何だか落ち着いている愛犬が居た…
私の気配に気が付き顔を上げた時には
昨日までとは違う優しいまなざしの愛犬がいた…
「おまえ、寂しかっただけなのね」
早く気付いてあげれば良かったのに…
勝手に変なルールを決めちゃってごめんね
こうして、やっと思いが伝わった愛犬は
毎夜私と一緒に眠り心の安定を取り戻した
フラダンスを始めてすでに20年近い
今の先生は真面目で優しいとても良い方だ…
同じスタジオのフラ仲間も皆集まれば
60名程いるだろうか…
「私の当たり前」は踊る事だ
ハワイアンの曲を聴きながらドレスを
身に付けて踊る…
日常では決して見せない姿に変身して
非日常を楽しむ…
フラダンサー達が皆、知っているような
有名なハワイの方に歌い演奏をして頂き
踊らせてもらった事は私の一生の宝だ
私の最終目標は、地域の方の役に立つ事だ
仕事ではなく、健康作りのお手伝いが
出来たら、今までの20年間が少し活かせる
私ごときが…だから誰にも話した事はない
縁あって読んで頂いた方にカミングアウト
したいと思う…
夕方…
裏庭にある家庭菜園に野菜を採りに行く
この時期は、夏野菜のオンパレードだ
「また、きゅうり〜」と家族の嘆きが
聞こえてきそうたが、そんな意見は無視し
節約と健康を考えて献立を決める…
「何がたべたいの?」なんて女神様みたいなお言葉を掛けていたら、毎日毎日の料理
担当は身も心も保たない…
いかに、安く!早く!簡単に!見栄え良く
この業務をこなす為には全集中しなければ
ならない…苦行なのだww
「街の灯り」がともる頃…
車の止まる音がして、愛犬がちぎれんばかりに尻尾を振り出した
「帰ってきたか…」今日のミッションも
何とか間に合った…我ながら良い出来だ。
「おかえり〜!」「腹減った!ご飯何?」
「ただいま」が先だろ…と内心思うけれど
食べる事は生きる事…素直な発言である