令和■年■月■日

夢管理会社　御中
　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　■■■様

　　　　　　　　　　夢の国へのご案内

拝啓　────────。
　■■■様を、夢の国へご招待することにいたしました。内容は下記のとおりです。心よりお待ちしております。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　敬具

　　　　　　　　　　　　　記

　・日時　■月■日（■）　■■:■■〜■■:■■
　・場所　夢の中

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上

　

暗い押し入れに入って、お互いの体を触る
見様見真似の行為は合っているのか分からず、
お互いの吐息と、湿った空気だけが存在した。
きっかけはお姉ちゃんと、お姉ちゃんの友達が自室でお互いの体を弄っているのを見てしまったことだった。
その時のお姉ちゃんの表情が、普段とは違って気持ちよさそうだったから気になって…
私には自室がないから、押し入れの中でその時一緒に遊んでた友達と確かめてみようって話になったんだ。
確かめ合うように触れ合う行為は、はっきり気持ちがいいと言えるものではなかったけど、好きな子の体に触れてもらえたことが何よりも嬉しかった。

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私たちは正しい愛を知らない。
お互い、ネグレクトを受けた子どもだったから…
でも、どんなに辛いことがあっても側にあなたがいてくれるだけで耐えられた。
この想いを伝えたら、あなたが離れてしまうのではと心配で、居ても立ってもいられなかった。
…受け入れてくれて嬉しかった。
（試してみない？）
あの時のこと、きっかけが欲しかったの。
あなたに私を意識してもらえる、そんなきっかけが…
周りが変だと言っても、それが私たちの愛。
歪で、溶けたチョコのような…
二人だけの、愛。

夏といえば何が思い浮かぶ？
そう聞かれたら私は、"かき氷''と答えるだろうな。

…あれは、中学2年生の夏
来年は受験勉強で忙しくなるから、今年の夏祭りをめいいっぱい楽しもう！と、友達に誘われて行った夏祭り。
正直、人混みと暑さで早く帰りたかった。
だけど友達の表情を見ると、どうしてもそんなこと言えなかった。
初めてできた友達、私の大好きな友達。
そう、友達…なんだよね。
あの時一口もらった、かき氷が今も口の中にあるように感じる。
私にとっての夏は、甘酸っぱいレモンのかき氷だ。

20■■年■月■日■曜日
学級裁判を開くことにした
内容は、（いじめについて）。
■■ちゃんがいじめられているということだった。
いじめの内容は、体操着や上靴が盗まれたなど気持ちが悪いものだった。
当たり前だが結局犯人は名乗り出ず、学級裁判はお開きとなった。
だけど学級裁判後、■■ちゃんがいじめられることはなくなった。
怖気付いたのだろう…
大人は誰もがそう考えた。
…だけど、僕たちは違う
僕たちは犯人を知っていたのだ…
学級裁判裁判のとき、それを口に出さなかったのは相手が''先生''だったからだ。
きっと、こんな事を言っても誰も信じてくれないのだろう。
大人は皆、隠された真実を知りたくないのだろう。
大人がそんなことをするはずがない、と信じて疑わないのだろう。

祖父母の家の近くには、寂れた神社がある。
私は元々、祖父母の家が苦手だった。
親戚が、どうしても苦手で、この神社だけが唯一安心できる場所だった。
いつだったかな、この神社に足を運んだとき
女の人に出会ったの。
同じ人間とは思えないほど美しかったんだよね。
お姉さんの隣は居心地が良くって、あっという間に時間が過ぎていったの。
でも、流石に両親が心配しちゃうから家に帰ったんだけど、私を見たおばあちゃんが血相を変えて私にこう言ったの。
「あんたあの神社に行ったの！！」
その時思い出したんだ、
「あの神社には近づいてはいけないよ。」
と言われていたことを…
その瞬間、風鈴の音しか聞こえなくなって…
私の目の前にお姉さんがいた。
お姉さんは私の頬にキスをして、頭を撫でてくれたの。
それから私はここの神社から出られなくなったの、でも私幸せ。