空はこんなにも青く、どんな者も受け入れてくれるほど壮大なのに。どうして、僕はそっちに行けないのだろう…
ただ、彼女の太陽のような笑顔をもう一度見たいだけなのに…

暗闇に染まった辺りを街灯が照らす、そんな時間に僕たちは海にいた。
（どこにもいかないでね）
彼女のどこか切なげな表情に、心臓がドくんとなるのを感じ、僕はこう言った。
（当たり前だろ）
そう、当たり前なのだ。
僕が彼女から離れることは絶対にない。例え、家族や周囲の人々が結婚に反対したとしても。
僕たちは、手を繋ぎながら海の底へと進んでいく…
月の光が海を照らし、まるで僕たちを祝福する結婚式のような輝きを放っていた。

幼い頃からねーちゃんの背中を追って生きてきたんだよね。俺
俺は、俺達は幼い頃、小学生の時に両親を事故で亡くしてさ。轢き逃げだったんだよね
それから親戚中をたらい回しにされて、遠い親戚に面倒めてもらってたんだけど。その、親戚のおっさんがねーちゃんのこと、犯してて…俺、その現場たまたま見ちゃってさ。ねーちゃんは絶対に、俺に弱いところ見せたくなくって、いつも笑顔でいたのに、あんなところを俺に見られて。それからさ、ねーちゃんおかしくなっちゃって。2ヶ月後ぐらいにねーちゃん、自殺しちゃった。いろいろ限界だったんだろうね。
急に、こんな話してあんたも意味わかんないだろうな。でも、何で自分が今殺されかけているのかぐらいは想像てきるだろ？
お前があのとき、酔ってなければ…あのとき救急車を呼んでいれば、両親は、とーさん、かーさんは死んでなかった。…お前のせいだ、全部。全部
安心しろ、お前が死んだら俺もそっちにいくよ。
最初に言っただろ？、俺はねーちゃんの背中を追って生きてきた、って。…またな

お花をくれるところが、すき。
しおしおのお花をえらんだのが、嫌い。
サッカーをする姿が、好き。
汗を拭かないところが、嫌い。
自分の気持ちを伝えてくれるところが、好き。
考えずにものを言うところが、嫌い。
幸せを誓ってくれたところが、好き。
人目を気にせず泣くところが、嫌い。
最期まで一緒にいてくれたところが、好き。
私を置いて逝ったところが、嫌い。
嫌い、でも好き。
だから愛している。

少し、身の上話をさせてほしい…
僕は、雨なんて嫌いだ。
あの日、僕を庇って友達が死んだ。
傘で周りが見えにくかったんだ…こんなこと言っても言い訳になる、よね？
そんな、嫌いな雨に僕は救われた。
涙の跡は雨によって消え、傘のおかげで僕の顔は隠された。良かった、僕は本当に幸運だった…
本当は、友達刃僕を庇って死んだわけではない、僕が押して、車に轢かれたんだ。
僕の罪を、思い出させるから…
雨なんて嫌いなんだ。
急にごめんね、こんな話しちゃって。
今日は、雨で川の水が増水されているね。
これなら確実に、、さようなら
…ぼっ、ﾁｬﾝ