【じゃ〜ん!今日の私昨日とどこが違うでしょうか?】
また、この質問か。違っていたら気まずい空気になるのは間違いない…
でも、私は間違いないよ。だって、あなたのことは何でも知っているから…あなたは大切な友達、あなたに嫌われたくないから私は絶対に間違えない。間違えたくない。
(昨日よりも前髪が少し短いところ?)
…今日も気づいてくれた。あなたは、いつも間違えないね。私知ってるよ、あなたが私に嫌われたくないから家遠いのに一緒に帰ってくれているのも。…そんなあなたが愛おしい、こんな質問を外したって私はあなたのことを嫌いにはならないよ。だって、こんなにもあなたのことが大好きだもん♡
いつか、友達以上の関係になれたらな…
そんなことを考えながら今日も、帰り道あなたの後を隠れながらついて行く。
23:58分…地球滅亡まで後2分だ。
1月1日に地球が滅亡するなんてにわかには信じられない話だ。
そんなことを病院の窓の景色を見ながら考える…
あぁ、結局病気は完治しないままだったな。
幼い頃から、家よりも病院で日々をオレは過ごしていた。
時計の針が12を指し、辺りが一気に明るくなる。まるで、夏祭りの花火のようだ。お祭り自体には行ったことはないけど、まどからよく花火を眺めていた。…とても綺麗だったのを覚えている。
…これが最後の日の出か。
その日、世界は綺麗な光りに包まれて終わりを迎えた。
俺の高校は、山の上にある。
毎日長い階段を登って、学校まで行かなくてはならない。夏なんてまるで地獄だ、蝉の声がうるさく鳴き、じっとりとした空気が辺りを包むんだ。
正直、こんな場所に建っている学校が俺は好きではない…
メリットよりもデメリットの方が大きいこの学校にも、いいところはもちろんある。…それは、屋上だ。
昼休み屋上で昼寝をするのが、俺は大好きだ。吹奏楽部の練習を子守唄代わりに聴きながら寝ると、山の上にあるからか空が近く感じ、まるで空に溶けるような気分になる。
空に溶ける不思議な体験を味わえる、大好きな場所だ。
どうしても、伝えたいことがある。
君は屋上でそう言った…幼馴染の男にだ。
その日は空に雲一つない晴天だった。風が心地よくって、昼食後だったから少し眠たかったのを覚えてる。
幼馴染は、すれ違った人が必ず振り返るほど顔が整っている。そんな女子なら誰もが付き合いたいと思うような男が、どうして俺なんかに告白したのか今もよくわからないが、俺は幼馴染と付き合うことにした。これから好奇の目で見られるのか、親はどんな反応をするのかと不安な気持ちが頭の中で渦巻いていたが、幼馴染の顔を見たら返事をせざるを得なかった。
…あぁ、この顔だ。
昔からこの顔でお願いされたら、俺は…俺はどんな願いも聞き入れてしまう。
どうしても、この顔に俺は逆らえない。
きっと、この男はそれを知っているのだろう…
まま!あるくのはやいよ!!
まって!
ママ!まだ絵本読みたいから
待って!!
母さん!もう少しで支度終わるから、そんなに急かさないでよ!!
待って!!
お母さん、成人式は1時間後だからそんなに急がなくてもいいよ!笑 着物で歩きにくいから
待って!
お母さん、嫌だ。逝かないで、私を一人にしないでよ。
待って…