どうしても、伝えたいことがある。
君は屋上でそう言った…幼馴染の男にだ。
その日は空に雲一つない晴天だった。風が心地よくって、昼食後だったから少し眠たかったのを覚えてる。
幼馴染は、すれ違った人が必ず振り返るほど顔が整っている。そんな女子なら誰もが付き合いたいと思うような男が、どうして俺なんかに告白したのか今もよくわからないが、俺は幼馴染と付き合うことにした。これから好奇の目で見られるのか、親はどんな反応をするのかと不安な気持ちが頭の中で渦巻いていたが、幼馴染の顔を見たら返事をせざるを得なかった。
…あぁ、この顔だ。
昔からこの顔でお願いされたら、俺は…俺はどんな願いも聞き入れてしまう。
どうしても、この顔に俺は逆らえない。
きっと、この男はそれを知っているのだろう…
5/19/2025, 11:07:17 AM