ありがとう、ごめんね
夢を見た。
僕が君を撮った写真を見せたら「映えてない!ってか加工アプリ使った?」と言われたから使ってない、って言ったらとっても君が怒った夢
夢を見た。
僕が買ったアイスの方が「美味しそう!!」と言って何も言わずにでかい一口でアイスを食べて僕が怒る夢
夢を見た。
今度は君がいない、そんな家
あぁそうか、ああ……
確かにこの感覚は“夢”であって現実ではないのか
そっか、もう君はいないのか
そっか、ごめん、ごめん
一生懸命働いて
一生懸命社交辞令して
一生懸命君の世話をして
一生懸命……
夢を見た。
君を抱きしめる夢
君に抱きついた時、君はこう言った
「ありがとう、ごめんね」
部屋の片隅で
「なあ、無意味な日々を辞めたくないかい?」
そう言ったのは誰か知らない男だった。
でも見たことのある、誰?という前にまず出てきたのが
んじゃあ、なにをするの?そもそも僕は無意味な日々なんて送ってないよ
と言った。そんな僕に対して
「いいや、君は暇を持て余していることが多いし…
なんせ休日になると寝て起きてご飯食べてだらだら動画見てるだけじゃないか?
平日だとまあ学校があるにしても学校に早い時間に行って、帰りのHRが終わると即帰宅してほぼ誰とも話していないで帰って、何もすることがないからテキトーにゲームして、動画見て
それで楽しいかもしれないが、“無意味”だと思うぞ」
何をそんなに僕のことを知っているんだ、と思ったが図星ではあった
僕は無意味な日々を送っているつもりはなかったが、友達が忙しい理由が分からないし、自分にだらけて自分に都合のいい言いわけを探している日々な気がする。
そして本当に何もしていない日々は多い。
学校も即帰宅して、クラスメイトと話すことも特になくただ暇を持て余しWi-Fiがあるからと家で動画を見る…
「だからな、配信をしろ
お前はよく独り言を言っているし、絵を描くんだろ?
人と話すのも好きだろ?
だったらぴったりだよ
人と話すことが好きだが、なかなか対面では出来ない
それが配信では気軽に話せるし“お前”に興味を持った奴が来るじゃねえか
やってみるだけタダなんだ、やってみろ」
何故だが、その人を信じたくなり
…………
今俺は配信をしている。
あの時の謎の夢のような、よくわからない男は多分…いや今の俺だと思う。
意外と配信は良いもので、人に話しかけやすくなったり楽しいことが増えたり、無意味な日々が消えてとても充実が出来ていると思う。
たくさん配信から学んだことがある
そして今日は初めてまだ1年経っていないが合計配信時間が500時間になる
「みんな、おはよう。配信を始めるよ」
俺のその呟きで来てくれる人がまた増える
それが楽しく
それが嬉しい
さあ、やってやれ。俺
眠れないほど
「送信を取り消しました」
明日遊ぶ彼女とLINEを開いた時、そう書いてあった。
元々送信を取り消すことが多い彼女には珍しい訳ではなく、至って普通…なのだが
何か、違和感がある
だって今日は彼女の誕生日で。
18歳、つまり成人になるのだ。
そう考えてちょっと時間が経った時
僕は彼女のLINEに通知が来ていたことに気づく。
「迎えに来て」
まだ、“今日”は終わらず
今日も一日が過ぎようとしている。
夢と現実
「ここは何処だろ…」
急に目覚めたら真っ白な空間でひたすら友達が苺を摘んでいた。
まあ、でもそんなもんだよな
今は春だし、ちょうど僕は苺を食べたいところだった。
苺を摘んでいる友達に声をかけた
「ねえ、苺食べたいんだけど…」
友達は言う
「練乳ならあそこにあるよ〜」と。
そして苺を摘んで練乳をかけた
美味しそうな苺。
赤くて、大きくて、美味しそうな苺
白苺も食べてみたかったところだけど、我慢して
「いただきます」
そして食べる前に目覚めた。
そうだ、僕はーーーー……
そこから記憶はない。