青砥

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部屋の片隅で

「なあ、無意味な日々を辞めたくないかい?」

そう言ったのは誰か知らない男だった。
でも見たことのある、誰?という前にまず出てきたのが

んじゃあ、なにをするの?そもそも僕は無意味な日々なんて送ってないよ

と言った。そんな僕に対して

「いいや、君は暇を持て余していることが多いし…
なんせ休日になると寝て起きてご飯食べてだらだら動画見てるだけじゃないか?
平日だとまあ学校があるにしても学校に早い時間に行って、帰りのHRが終わると即帰宅してほぼ誰とも話していないで帰って、何もすることがないからテキトーにゲームして、動画見て
それで楽しいかもしれないが、“無意味”だと思うぞ」

何をそんなに僕のことを知っているんだ、と思ったが図星ではあった
僕は無意味な日々を送っているつもりはなかったが、友達が忙しい理由が分からないし、自分にだらけて自分に都合のいい言いわけを探している日々な気がする。
そして本当に何もしていない日々は多い。
学校も即帰宅して、クラスメイトと話すことも特になくただ暇を持て余しWi-Fiがあるからと家で動画を見る…

「だからな、配信をしろ
お前はよく独り言を言っているし、絵を描くんだろ?
人と話すのも好きだろ?
だったらぴったりだよ
人と話すことが好きだが、なかなか対面では出来ない
それが配信では気軽に話せるし“お前”に興味を持った奴が来るじゃねえか
やってみるだけタダなんだ、やってみろ」

何故だが、その人を信じたくなり

…………


今俺は配信をしている。
あの時の謎の夢のような、よくわからない男は多分…いや今の俺だと思う。
意外と配信は良いもので、人に話しかけやすくなったり楽しいことが増えたり、無意味な日々が消えてとても充実が出来ていると思う。
たくさん配信から学んだことがある

そして今日は初めてまだ1年経っていないが合計配信時間が500時間になる

「みんな、おはよう。配信を始めるよ」

俺のその呟きで来てくれる人がまた増える
それが楽しく
それが嬉しい

さあ、やってやれ。俺

12/8/2024, 8:59:06 AM