僕の横で、あなたは静かに瞼を閉じて、
僕の鼓動さえ知らずに、
夢の時間が進んでいる。
触れたいけど、壊れそうで、
気持ちよさそうに。
でも、ふと、瞳があいた。
ドキッとしたけど、そんな気持ちは隠した。
安らかな瞳は、物憂げにかすかに、
また、僕の横で閉じた。
僕は、ずっと、あなたのそばにいて、
毎日、一緒に過ごしてもよいですか?
あなたは、いつか、他の誰かを
僕よりも愛してしまいますか?
そんなときが、くるかもしれないですよね。
ずっと、隣にいるなんて、明日はわからない。
隣にいたくても、心が離れていたら、
二人で一つなんて、あり得ない。
僕は、悲しいことは考えたくない。
四季折々、あなたと過ごしたい。
ただ、それだけでいい。
離れて暮らすと、あなたの日常を知りたくなる。
毎日、どんなことがあって、
何か辛いことも、あるんじゃないか?とか
何も言われないと不安。
何かを聞くことも不安。
本当は、こわいから、きけない。
あなたのそばにいることが叶わない。
それも辛い。
あなたの声も、姿も、いろんな苦労もわからず、
ごめんなさい。
僕は、あなたのことをもっと知らないといけないのに。
心配かけたくない、そんな気持ちもわかる。
今度、あなたの顔を見たとき、まっすぐに
僕は向き合って、いろんなこと聞いてみようと思う。
毎日、いろんなことがあるけど、
僕らは、なんとか生きている。
命に関わるようなこともあったりするけど、
心身が壊れてしまうまではない。
ありがたいことに、
ただ、いろいろ心配事は尽きないが。
これが、平穏な日々なんじゃないかと思う。
自分が誰かの心身を傷つけないように、
傷つけたときには、平穏な日々には、
戻らないと思う。人は、感情をもっているから。
僕の両親は、僕が小さかった頃、
時々、喧嘩していた。
ガラスやコップが割れたり、頬を叩く音がした。
怖かった。
怒鳴り声も、父親の姿も。
なんで、そんなに怒るのか分からなかった。
貧しさも、きっと一つの大きな要因だったと、
今なら、よくわかる。
愛とか平和とか、身近な恐怖の記憶を辿ると
遠くに感じる。
僕は今、きっと愛と平和は守られているが、
いつ、壊れるかは、わからない。
ただ、一つだけ確かなことは、
両親の同じ姿にはならないようにできると思う。