彼は好きじゃないのに、ホラー映画をよく観る。
彼にどうしてかを聞いたら「訓練!」だって。
どうやら私が平気な顔をしてホラー映画を観ているのに付き合おうとしているらしい。
いや、私は別にホラー映画が好きなわけじゃないんだけど…。
今日は曇り、ところにより雨。
君から「傘持ってくるの忘れた。迎えに来てくれる?」との連絡があったので、傘を持って迎えに行く。
風邪を引かなければ良いけど。
待ち合わせした場所に行くと、君がカフェで何やら食べている。
ちょっと脱力しながら、中に入って声をかけた。
「それ、どうしたの?」
「あ、これ美味しいよ。一緒に食べよ?」
そこで俺も席に着いて、君と同じものを注文する。
食べてみたら確かに美味しかった。
パンとかを買って帰ることにした。
「また食べに行こうか」
今日は彼と一緒にショッピングモールに行った。
お昼ご飯を食べた後、別行動をすることに。
洋服を見たり本を買ったりして待ち合わせ場所のカフェに向かうと、彼が先に来ていた。
手には小さめのテディベアを持っている。
「それ、どうしたの?」
「さっきUFOキャッチャーで見つけた。可愛いかなって…」
照れながら差し出した。
UFOキャッチャー下手っぴなのに、頑張ってくれたんだ。そう思うと嬉しくなった。
それからそのテディベアは私のお気に入りになった。カバンの中に入れて持ち歩き、時々ぎゅっと抱きしめる。
「それ、気に入ったんだな」
「うん、この子は特別な存在だから」
俺には兄弟がいる。年の離れた兄と二歳年下の弟。
彼女と遊んでいるとよく茶化された。
彼女と離れ離れになってしまった時に兄は「また会えるよ」と慰めてくれ、弟は「お姉ちゃんいないの?」と一緒に泣いてくれた。
大学の時彼女と再会した。バカみたいに浮かれてふわふわした気持ちでアパートに帰ると、兄からメッセージが来た。
「どうだった?可愛いコいたか?」
「幼なじみの彼女と再会した」と打つと「え?マジで?」と返って来た。
その後兄とやり取りをしていると、普段滅多に返事を寄越さない弟からメッセージが来た。
成長するにつれて身体がデカくなり無愛想になった弟。
「兄貴、良かったな。頑張れ」
そのメッセージを見た時、頬が自然と緩んだ。
彼女にもう一回プロポーズをする。成功したら兄弟と焼肉を食べに行こう。
時々夜に彼と一緒に散歩をする。
他愛もないおしゃべりをしながら、たまにコンビニに寄ってアイスを買ったりする。
手を繋いで歩いていると、まるで世界で二人ぼっちになったみたい。
たまにはこういうのも悪くはないよね。